蹴上浄水場が6日まで一般公開されています。場内にはつつじが咲き、その中につつじのトンネルがあります。
蹴上浄水場は、琵琶湖第2疏水の開通に伴って、日本最初の急速ろ過式の浄水場として明治45年(1912年)に完成しました。それまで京都市民は井戸水、つまりは地下水に頼っていましたので、水質も悪く、日照りが続くと枯れてしまうということで、水道は非常に画期的なものでした。開業当時の京都の人口は約50万人でしたが給水人口は4万人程度からスタートし、その後、給水能力を増強しながら、今でも変わらず琵琶湖疏水の水を使っています。
第2疏水は水道水として使うことを目的に作られたので、水の汚染を防ぐためにほとんどをトンネルで作られています。近年では琵琶湖の水位が下がった時でも取水ができるよう、連絡トンネルも平成11年に開通しました。蹴上の船溜りでは、第1疏水と合流しているのを見ることができます。
浄水場内には約4600本のつつじがあり、皐月も合わせると約7000本が一般公開されます。なぜこんなに多くのつつじや皐月が植えられているのか。それは急な崖が崩れるのを防ぐためです。第一高区配水池には、明治時代当時のレンガ造りの建物が残り、今も現役で使われています。
つつじのトンネルへは、与謝野晶子の歌碑の近くから行けます。まるでトトロの居場所へ通じている抜け穴のようです。大人でもワクワクしてしまいますね。短いトンネルでも、そんな雰囲気を楽しめます。場内のつつじはまだ満開まではほど遠い感じですが、公開は6日で終了です。来年は浄水場が完成して100年の節目の年。例年より盛大なイベントがあるかもしれません。
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