上御霊神社のイチハツ


上御霊神社イチハツが見ごろを迎えています。涼しげな雰囲気です。
得浄明院の日記などでは「一初」と書きましたが、イチハツの漢字は「一八」や「鳶尾」などいくつもの表記があるようです。「鳶尾」でイチハツとはとても読めません。ちゃんとその由来はあるものの、私はアヤメの中でも最も早く咲くことから「一初」と名付けられたという説明が、分かりやすく的を射ているように思います。蒸し暑い一日でしたが、イチハツの花は涼しげで落ちついた印象を与えてくれます。まだしばらくは見ごろが続きそうです。
上御霊神社の創建にはいくつかの説があります。社伝によると桓武天皇によって都が長岡京から移されたとき、ハンガーストライキをして亡くなった桓武天皇の弟、早良親王(崇道天皇)を慰めるために創建された神社だと言われています。位置は都の北東、鬼門を守るためとの説もあります。
いずれにしても、早良親王を始めとして、その後も政争に巻き込まれて恨みを持って亡くなった方々を加え、多くの「怨霊」をお祀りしています。怨霊の力は、特定の個人や一族だけではなく、疫病や天災として社会全体に災厄をもたらすと信じられていました。彼らを神として祀り、崇めることによって疫病を鎮めようとしたのです。鬼門の方向に配置をしたのは、怨霊の強大な力を今度は味方につけて、災厄をはらおうとしたもの。毒を持って毒を制するということでしょう。
話を知ると、恐ろしくなる場所ですが、境内は静かで気持ちのよい場所です。境内では休憩をしている人もいました。また、5月18日には御霊祭が行われ、今日は大きな神輿が3基置かれていました。18日の行列は、お神輿に加え牛車や武者や稚児の行列もあり、見ごたえがあります。なお、この地は応仁の乱勃発の地でもあります。

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