先日、山科を歩いていると、虹色の雲「彩雲」を見かけました。
写真だと分かりにくいかと思います。ただ、実際には雲の中心部分がはっきりと虹色に見えていました。空を見上げていると、ときどきこのような美しい光景に出逢うことがあります。空に薄い雲やすじ雲が出ているときに彩雲は見えやすいので、見上げて見てもよいでしょう。
似たような現象に、環水平アークや環天頂アークがあります。厳密には見える位置や理論も彩雲とは異なる現象ですが、どれも雲に虹色が出るため、受け手としては同じような印象を受けるでしょう。
今回は、太陽高度も低い夕刻で、雲は太陽に近くて色づきはごく狭い一部分だけ、そしてほどなく消えました。といったところから「彩雲」だと思っています。
さて、彩雲は地震の前に見られると言う話もあります。しかし、それはタダの都市伝説で理論的にはあり得ません。
伝説と言えば、彩雲は古来から瑞兆として知られています。呼び名は錦雲(にしきぐも)・紫雲(しうん)など様々で、禅の言葉では「慶雲五彩を生ず」といった瑞兆を表すものあります。五彩とは青・黄・赤・白・黒の五色のことだそうです。
雲が虹色になるというのは、神や仏、あるいは祖先の霊のなせる技だと思われたのでしょう。その美しい姿は、やはり「吉兆」を思わせるにふさわしいものだと、現代の私は感じます。
ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから。
詳しく教えて頂き、ありがとうございます。京都は好きな所ですがなかなか行けません。400ケ所も観光スポットがあるんですね。何度か行きましたが、粗同じ所です(笑)最年少で1級に合格とは凄い!又教えて下さい。