22日・23日は六地蔵巡りが行われます。鞍馬口にある上善寺は大勢の人で賑わっていました。
六地蔵巡りとは、京都の出入り口に置かれている6カ所のお地蔵様をお参りする行事です。
平安時代の849年に小野篁(たかむら)が亡くなり、あの世で生身の地蔵菩薩に出会いました。篁は地蔵の教えに従って蘇生すると、木幡山の1本の桜の木から6体の地蔵を掘り、大善寺に安置しました。それから300年ほどのち、後白河天皇の時代に京都に疫病が流行ります。天皇は平清盛に命じて、京都の出入り口6か所に六角のお堂を作ってそれぞれに1体ずつお地蔵さんを安置し、西光法師に供養をさせたと言われています。こうして分散された六地蔵を回る、六地蔵巡りが始まりました。
六地蔵巡りは、罪や汚れを取り払い家運繁栄などを祈願するために行われています。また、水塔婆供養も同時に行われます。それぞれのお寺では色が異なる幡(ばん・はた)が頂け(有料)、これを戸口にかけておくことで疫病を退け福を招く効果があると言われています。
さて、それぞれのお地蔵さんは京都の出入り口に置かれているだけあって、自力で回るのはなかなか大変です。私も自転車で全部行ってしまおうかとも考えましたが、時間が足りず断念しました。多くの方はバスツアーに参加されており、上善寺でも大勢の方がバスで来られていました。こちらのお地蔵さんはもとは深泥池にあったものです。
自力で回りたい方へのお勧めは、嵐電と地下鉄の乗り放題切符(1000円)を買って回る方法です。そこそこの距離を歩きますが、一日で全てを回ることも可能です。地下鉄の各駅から徒歩で行けるところも多く、具体的には鞍馬口駅から上善寺(片道0.4km)、山科駅から徳林庵(片道0.6km)、六地蔵駅から大善寺(片道0.8km)、竹田駅から浄禅寺(片道1.6km)へと行くことができます。桂地蔵へは地下鉄四条駅から阪急に乗り換えて桂駅から徒歩(片道0.7km)で行け、常盤地蔵の源光寺へは、太秦天神川駅から嵐電に乗り換えて、帷子ノ辻駅から常盤駅で下車し徒歩(片道0.3km)で行くことができます。
しかし、徒歩で歩いていた頃を考えるとなかなか大変です。まともに全てを歩くと一体何kmになるのでしょうか。それでも西国三十三カ所や四国のお遍路、伊勢参りなんかは無理でも「これなら行ける!」と思った人もいたのかもしれませんね。現在なら、京都十六社朱印めぐりは無理でも、京都五社巡りなら行ける!のような感覚で(わかる方だけニヤリとして頂ければ)。
ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから。
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