妙蓮寺の芙蓉


西陣にある妙蓮寺の芙蓉が美しい花を咲かせています。

妙蓮寺は1294年に日蓮の孫弟子・日像によって創建されたお寺です。境内には芙蓉の花が本当に多く、京都で芙蓉の名所と言えば妙蓮寺の名が挙がるのも頷けます。種類も豊富で、妙蓮寺のホームページによると、一重ピンク・一重白・一重酔芙蓉・八重酔芙蓉・くす玉芙蓉・二重ピンク・一重濃ピンクがあります。酔芙蓉は、朝は白く咲き午後には赤く色づく花で、まるで酔っぱらっていくかのような色の変化からそう名付けられています。私のような素人ではなかなか見分けがつきませんが、豊富な株をよく見ると少しずつ違いがありますので、じっくり見て行くのがよいでしょう。また中にはムクゲも混じっていました。9月にかけて見ごろが続きます。

妙蓮寺は十六羅漢の庭と言われる石庭や、長谷川等伯一派によるクリスマスツリーのような鉾杉の襖絵なども見ることができます(襖絵は要予約)。また宿坊として泊まることができるのも特徴です。たいていは人がほとんどいませんので、じっくりゆっくりと時間を過ごせるのが素晴らしいところ。石庭は雨の日にもおすすめで、昨年私がテレビに出させて頂いた時にもこのお寺を紹介しました。お寺の方も大変に気さくでお話が好きな方がおられるので、親切に案内をして頂けることもあるでしょう。

墓地には赤穂浪士の遺髪墓もあります。浪士たちが吉良を打ち果たし切腹した後、その遺髪を同士であった寺坂吉右衛門が持ち帰り、伏見で片岡源五右衛門の姉に託し、姉が菩提寺であった妙蓮寺で弔ったものです。平成14年に墓は新しくされ、それぞれの名前も刻まれています。以前は歌舞伎役者が忠臣蔵を演じる前に参拝をしていたそうです。また、災害史を知る意味では台風で倒壊して41名もの生徒が亡くなった西陣小学校の悲劇と、墓地に残る慰霊塔も忘れてはなりません。

他にも、形の美しい袴腰鐘楼や、時々現れるという「法華戦隊 ミョウレンジャー」(←久しぶりにページを見ましたが8分もあるPVはすごい)、秋から春にかけてちらほらと花を咲かせる御会式(おえしき)桜、妙蓮寺椿など、小さいながらも見どころの多いお寺です。なお、今の時期は近くの本隆寺や首途八幡宮でサルスベリの花も見られます。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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