台風が連れてきた秋晴れ


6日は今年初めて、秋晴れとなりました。この予報をブログで書いた時は台風が接近している最中。多くの方にとって爽やかで気持ちのよい空ですが、違った思いでこの空を見つめておられる方もいることでしょう。

空が好きな人を除けば、人が空を見つめる時は「上を向いて歩こう」の歌詞のように、きっと何かあった時なのだと思います。私自身、辛いことや悲しいことがあった時にはよく空を眺めていることに気が付きます。この青空は台風の副産物で、その強い風が大陸から秋の晴れを、まるで大地を乾かすために連れて来たかのようです。台風12号は平成以来最悪の死者・行方不明者を出す結果となってしまいました。被災地の空は今日も何事もなかった街と同じように晴れている。空は散乱の都合で地平線の近くよりも頭の上の方が青くなり、山間から見える被災地の空はさぞ青いことだろう。

今回、「想定外が起きた」と語る評論家の安易な声が気になります。記録的な雨は少なくとも前日までには予想は出来ていて、その時点ではもう「想定外」ではないはずです。たった1日だったかもしれませんが、そこで救えた命はなかったのか。そのような検証を進めて頂きたいと感じます。
北海道でも大雨となりました。地域的な雨の降りやすさは日本の各地で驚くほど違っていて、雨の多いところは多いなりの、少ないところは少ないなりの、その土地土地に応じた地形や河川環境が自然に作られています。人間の洪水対策はそのほんの一部をコントロールしているにすぎないので、もともとの地域の「耐性」を超える雨量だと厳しい(=災害が起こる)のです。
とすると、雨は地震の震度と違って、例えば北海道の耐性と紀伊半島の耐性は「400mm」のような単純な雨量の絶対値では比較できず、その地域にとって多いのか少ないのかその雨によって何が起こるのかを、報道機関や予報士はきちんと伝えないといけない。…などと考えていると、先程、テレビに出ていた気象会社の時代の同期が、ちゃんとそのことを伝えてくれていました。

京都では台風で散らばった小枝などを掃除してくれている方々を見かけました。これらは門川市長になって設置されたサービス事業課の方々かと思います。街の美化にも取り組んでおられます。気が付けば綺麗になっている道路。観光都市「京都」はこうした裏方の皆様の活動・努力によって維持されていることも忘れてはなりませんね。

さて、久しぶりのこの空気。京都の街を走りながら感じたのは「運動会」の香り。幼稚園や保育園・小学校では運動会の練習があちこちで見られました。季節は確実に移り変わっていきますね。ただ涼しいのは明日くらいまで。その後は蒸し暑さが復活し、「秋晴れ」は夏の「猛暑」へと姿を戻してしまいます。
京都では今週末からお月見のイベントが始まります。四季折々の季節感を与えてくれるのは京都の素晴らしいところ。そこで気になるのは、「なぜ地平線近くの月は大きく見えるのか?」。近いうちにその理由をお話しましょう。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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