源光庵の稚児井


鷹峯の源光庵稚児井(ちごのいど)があります。この稚児井、京都検定のテキストには写真付きで載っていて、源光庵に行かれた時に探したことのある方もいるのでは?実は今、稚児井は意外な場所にあります。
もう写真でお分かりかと思いますが、現在の稚児井はずいぶんと殺風景な場所にありますね。実は平成20年に隣接する小学校の校庭拡張工事により、谷にあった稚児井は埋め立てられてしまいました。一時は姿を消していたのですが、平成22年にこの場所に移設され、復活したという経緯があるのです。
稚児井の由来は、室町時代に水不足があった折、源光庵の当時の住職・徹翁義享国師の夢枕に、童子池に住む龍が童子の姿に化けて白馬にまたがって現れました。童子に化けた龍は、西の谷に水が湧き出ていることを告げ、この水によって多くの人々が救われたとされています。その童子池の名残として稚児井が残され、長らく枯れたことが無い井戸だったそうです。

しかし、時代の流れには逆らえず、消えゆく運命にあった井戸がこうして形だけでも残されることになりました。恐らく京都検定のテキストに写真が載っていることで、お寺にも問い合わせが多かったのではないでしょうか。ちなみに現在の稚児井も普通に拝観していては見つけられない場所にありますので、私のようなガイドかお寺の方に聞かれることをお勧めします。井戸は本物ではなくレプリカとなっています。

なお、源光庵のとなりの常照寺には「白馬池」なるものが平成21年に復活しています。白馬池には仙人が住み、白馬に乗って池を往来していたといいます。稚児井の場所へ行くと気がつきますが、実は白馬池と稚児井は同じ谷にあります。やはり関連が強く疑われますね。現在、常照寺の白馬池では白馬にまたがった観音像を見ることができます。

今年も行われる京都検定。テキストはもちろん重要ですが、私は是非現地での「実地学習」をお勧めします。私が1級に合格できたのも、実際に訪れてテキストに書かれているものを見て、イメージができていることが大きいと感じています。百聞は一見に如かず。文字に向き合うよりも、四季折々の空気を感じて現地を歩く方が、はるかに頭に残ることでしょう。源光庵の稚児井のように、予習した後で現地へ行ってみると、意外な事実に出会えることもありますよ。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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