週明け寒波と紅葉予想


最近めっきり秋らしくなってきました。今日(15日)の雨を境に再び「寒波」がやってきます。この時期の寒波はこの先の気温にも影響を与えます。また、金曜日(14日)に発表された最新の1か月予報(近畿)から京都の今年の紅葉予想にチャレンジしてみます。

週明け寒波

日曜日から週明けにやってくる寒波は、前回と同じか一段回強く、北海道では平地でも雪の混じるところがある予報が出されています。京都では17日朝の最低気温が13℃、その後19日朝には10℃の予報が出ています。来週はここ数日より朝晩の冷え込みが強まる見込みです。体調を崩されないように十分ご注意ください。ただ、実際にはこれでも平年から大幅には外れておらず、この時期はひと雨ごとに気温が下がっていくのが一般的。秋の歩みは速く、9月との気温差は15℃にも達し、シベリアでは-20℃を下まわる場所も出てきました。

一方、今年は例年より寒波の訪れがやや早くなっています。寒波の元は北極やシベリアに象徴される大陸にたまる冷たい空気。陸と海では暖まりやすさが違っていて、陸は海よりも暖まりやすく冷めやすいのです。ということで、太陽の日差しが弱まるこの時期は、大陸はどんどん冷えて冷気がたまります。そしてたまった寒気が相対的に気温が高くなる海へ向かって時々放出されるのが「寒波」です。つまり「たまっていたものが出てくる」ので、今年のように早めに出てしまえば今度は「寒気がたまる時期」が再びやってきて、海側にある日本は平年よりも暖かくなります。寒波にはこのように周期性があり「ずっと寒い」というのは滅多にないのです。
とすると、今年の早い寒波の訪れはこの先の「暖」を示唆しています。自然とはよくできているものですね。実際、気象庁の1か月予報(近畿)によると、向こう1か月の気温は「高い」の確率が50%、「平年並」が30%と予想され、「低い」となる確率は20%しかありません。来週も朝晩は冷えますが、日中は気温が上がるためトータルでは「高い」となる可能性が高いとの予想が出されています。

今年の紅葉は!?

気になるのは今年の紅葉。紅葉は最低気温が8℃以下になるとスイッチと言われていますので、前回や今回の寒波でスイッチが入ると、その後の暖かさでも色づきは進んでいくようです。ただ、その色づき具合がポイントで鮮やかな赤や黄色に色づくためには、朝と晩の寒暖差が大きいこと、葉が十分な日光を受けること、適度な湿度があることなどの条件があります。紅葉の予想は大変難しそうですが、あえて今年はチャレンジしてみようと思います。私には実績がありませんので、以下参考程度にお読みください。

・・・今のところの1か月予報から読み解くと、「天気が数日の周期で変わる」とのコメントから、晴れた日には寒暖差は十分ありそうです。一方で、降水量は「多い」と「平年並」がともに40%と、湿度は確保されそうです。日照時間は「少ない」可能性が40%である一方で「平年並」や「多い」もそれぞれ30%あるため、まずまず日照はあると判断できます。総合すると、今年の紅葉の色づきはなかなか期待できるのかもしれません。

ただ、今後「気温が高め」というのが色づきに影響しないかという点と、また紅葉開始のスイッチが入る時期が場所によっては早い、というのが気になります。「紅葉の進行具合が寺社によって異なる」というのはあり得ると思いますので、各地の見ごろ情報を参考にしながら行き先を決められるとよいでしょう。特に比叡山や大原・高尾などでは例年より早くスイッチが入っていて早まる可能性があります。

日本の紅葉は様々な種類の落葉広葉樹が合わさり、世界的にも美しいと有名です。急峻な山や谷があり湿潤な日本では、氷河期に落葉広葉樹が絶滅することなく生き延びたと言われています。楓だけでも26種類があり、ヨーロッパや北米と比べるとおよそ倍もの種類が見られ、外国の方にもその色とりどりの様子が大変喜ばれるようです。あと1か月と少し、楽しみですね。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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