岩戸落葉神社のライトアップ 2011年


20日夜には、洛北は小野の郷にある岩戸落葉神社のライトアップが行われました。

今回は四条大宮から京都駅始発のバスに乗ったのですが、既に25分遅れ。ずいぶん待つことになりました。今回に限らず、紅葉シーズンのバスはこのように予定通り来ないことが普通ですので、移動の際には大らかな気持ちで待って頂くか、時間の確実な電車をお勧めします。

さて、京都市街地から約1時間で岩戸落葉神社のある小野郷に到着です。具体的には、高雄からさらに奥へといったところ。今は高雄経由のルートが普通ですが、古来は杉坂口から鷹峯を経て小野郷へと至る道が一般的でした。川端康成の「古都」の舞台としてもご存じの方もおられるでしょう。小野郷からは惟喬親王が晩年の余生を過ごしたとされる大森へと行くことができ、まさにその玄関口に、見る者を圧倒する大銀杏とともに岩戸落葉神社があります。

この神社は岩戸落葉神社の名の通り、境内を埋め尽くす銀杏の落ち葉で知られています。大銀杏の樹齢は400年とも言われていますが、京都市街地の大将軍神社(東天王社)にある樹齢800年の大銀杏よりもさらに大きいため、こちらの方が古いのでは?と思ってしまいますね。神社は岩戸社と落葉社がそれぞれあり、総称として岩戸落葉神社と呼ばれています。

落葉社の由来は、延喜式の神名帳に載る「堕川(おちかわ)社」であるとする説が一つ。堕川は落川で、小野郷がいくつもの川が合わさり流れゆく場所にあるためとされています。一方で、源氏物語の「柏木」の巻に登場する落葉の宮が小野の郷に隠棲したからだとする説もあります。源氏物語では、柏木は朱雀帝の皇女である女三の宮に恋をしますが、女三の宮は源氏の正妻として迎えられてしまいます。そこで柏木は女三の宮の姉である女二の宮を妻として迎えるのですが、残念なことにあまり好きにはなれず、彼女(女二の宮)に「落葉」というニックネームを与えてしまうことになります。その後いろいろとあって、女三の宮は柏木の子を懐妊!!しかも源氏に関係がバレてしまい、柏木は恐れるあまり次第に弱り、とうとう亡くなります。その間際、親友の夕霧に妻である落葉の宮のことを託し、物語は続いて行きます。夫である柏木を亡くした落葉の宮が隠棲したのが、この小野郷。そこに今もあるのが岩戸落葉神社です。神社の創建が源氏物語説だとするならば、とてもロマンチックですね。

大銀杏は4本あり、同じように見えて実は散るタイミングが違っています。境内奥側の銀杏は早く、道路に面した外側の銀杏は遅いのです。そのため境内には散ったイチョウが満ちているのに、写真ではまだ真っ黄色の銀杏が写せるというのも自然が見せてくれる絶妙な美しさ。この日は地元の方によると「ちょうどいい」頃合いだそうで、早い銀杏は既に散り境内は一面黄色の落ち葉。そこにライトアップで輝くまだ散る前の銀杏が雄大な姿を見せてくれていました。

ライトアップは年に一日だけで、静かなライトアップ…ではなく、地元の方による芸能の奉納から老人会の合唱、さらには司会者までもが歌い出すなどなど、とにかく大いに盛り上がっています。それがまたとっても明るく元気よく、冷たい空気に包まれた山里の神社がとても暖かい雰囲気で満ちているのです。境内は地元の方の笑い声や笑顔にあふれ、見ているこちらも笑顔になってしまいます。神社の前ではおぜんざいも無料で頂くことができ、冷えた体を温めてくれます。また来年以降も訪れたくなるライトアップでした。

盛り上がっている境内の雰囲気をお伝えするべく、太鼓の奉納の動画を撮ってありますので是非ご覧ください。改めて見ても、もう一度行きたくなりますね。なお、境内のそのほかの写真はFacebookにて公開しています

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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「岩戸落葉神社のライトアップ 2011年」への4件のフィードバック

  1. 始めまして、3年前から落葉神社のライトアップイベントに関わって
    来ました。今回こんなに立派な生地を書いて下さって地元住民の一人として有難うございます。
    源氏物語・落葉の君とかは知ってましたがこんなに詳しいお話は知りませんでした。実は私もブログをやっていて一夜限りのライトアップの記事も
    毎年載せております(*^-゜)v  よろしかったら一度覗いてみて下さい。「ぷりママのブログ」です。

    1. ぷりママさん
      はじめまして!
      コメントありがとうございます。
      ブログを早速のぞかせて頂きました。
      岩戸落葉神社の黄色のじゅうたんは、本当に圧巻ですね!
      (実は、今日25日にもう一度行くかもしれません)
      ライトアップは写真では見たことがあったのですが、
      境内の予想外の盛り上がりは温かみがあって本当に素敵だなと思いました。
      おぜんざいもありがとうございました♪
      また、来年以降も訪れたいと思いますので、
      ブログでの情報を楽しみにしております!!

  2. 京都旅屋さん、早速ブログを見ていただき来有難うございます。
    実は私の住まいは大森で、家からもう少し奥まったところに、惟高親王を祀る大森賀茂神社が木々に囲まれて、人気もなくひっそりと建っています。(本当にひっそり)(笑) 機会があればおこし下さい!!

    1. ぷりママさん
      驚きました!!実は昨日(25日)の夕方に大森へと惟高親王の遺跡を訪ねて行っていましたので。大森賀茂神社にも参拝させて頂き、安楽寺と長福寺、椋本家住宅も外から少し覗かせて頂きました。
      親王は私ぐらいの年齢で大森の地に棲んだと言われていますので、しみじみと風景も楽しませていただきました。また、機会を見つけて訪れたいと思います!

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