智積院の紅葉


三十三間堂の近く、智積院境内の紅葉が見ごろを迎えています。

市街地でもどんどん見ごろとなってきました。清水寺や東福寺もずいぶんと賑わっています。日曜日に行った東福寺では、朝8時開門ですがその頃にはすでに人が臥雲橋まで並ぶほど。8時半の拝観開始の頃には個人で1000人以上(警備員談)、そこに団体が何組も加わるという盛況ぶり。私は、7時40分頃から並んで前から200番以内には入れましたので、少しだけ人のいない境内を写すことができ、また通天橋からの写真も身動きが取れなくなる前に終えることができました。

通天橋は9時頃にはもう大変な混雑ぶり。やはり東福寺はすごいですね。紅葉は素晴らしく、赤く染まった一面の「雲海」は一見の価値があるでしょう。

さて、この時期の有名観光地は「紅葉ではなく人を見に来た」といわれるほど賑わいます。もちろんそれに見合う魅力があるからなのですが、人が集中する分、その陰で十分に紅葉が見事な場所にも「穴場」ができています。先日ご紹介したマニアックな穴場以外にも、まだまだ京都には素晴らしい紅葉スポットが至る所に隠れています。今回ご紹介する智積院(ちしゃくいん)境内もその一つ。

智積院は三十三間堂の近く、七条通の東山側の突き当たりにあるお寺。真言宗智山派の総本山で、関東では川崎大師・成田山新勝寺も同じ真言宗智山派です。境内に入ると紅葉の素晴らしさにすぐに気がつくことでしょう。ちょうど真っ赤に色づいています。

智積院と言えば、桃山時代の絵師・長谷川等伯の「楓図」、その息子・久蔵の「桜図」で知られています。その所縁もあってか、この時期の境内では楓が見事な色付きを見せてくれます。有料拝観を行えば、楓図などは見ることができ、名勝庭園を眺める書院には美しく再現された絵もあります。「楓図」について、詳しくは以前のブログに書きましたのでよければお読みください。境内の紅葉は26日現在では見ごろを迎えており、やはり日に輝く様子が素晴らしい!三十三間堂まで来られましたら、是非足を運んで頂きたい場所です。智積院は宿坊もありますので、朝のお勤めを終えて眺めるお庭もまた格別なのでしょう。

また、三十三間堂付近では養源院参道の楓も大変綺麗です。見ごろは今週でしょう。養源院は大河ドラマ「江」ゆかりのお寺で昨日の最終回でも最後に紹介されていました。姉の淀が父の浅井長政の菩提を弔うために建立し、江戸時代のはじめに一度焼けてしまいましたが、江(崇源院)が夫の秀忠に頼んで伏見城の遺構を移して再興されました。鳥居元忠の姿が分かるといわれる血天井や、俵屋宗達の白象の杉戸絵、最近であれば市の供養塔なども有名になったでしょうか。今年は例年より賑わっていることでしょう。楓の美しい参道は、拝観料は要らず、気軽に入ることができます。

なお、智積院やその周辺の写真はFacebookで公開しています。清水寺や妙法院、東山武田病院の積翠園なども紅葉が美しいです。是非、ご覧ください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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