大将軍神社の大イチョウ


東山三条の近くにひっそりと隠れる、大将軍神社(東三条社)の樹齢800年と言われる大銀杏が、見事な色づきと落葉を見せています。本日(6日)の境内は、さながら「落葉神社」となっていました。

東山や嵐山の紅葉はずいぶんと終盤になってきた感がありますが、まだしばらくは楽しめる状況です。永観堂では、紅葉シーズンに合わせて秋の寺宝展が行われるため拝観料が1000円になっていましたが、12月も二週目に入った今は拝観料が600円に戻り、しかしまだ紅葉は十分に楽しめるという、紅葉を見に来る方には”お買い得”な状況も起きています。人もぐっと減り、11月のあの賑わいはなんだったのだろうかと感じてしまいます。写真は本日(6日)の永観堂。雨が降ったり強い風が吹くと散ってしまいそうですので、8日以降の天気が境目となりそうです。

さて、大将軍神社は街中にあり、観光ルートからは少し外れた場所にあります。ただ、地下鉄の東山駅と三条京阪駅の間にありますので、今ならば足を運んでみても面白い場所だと思います。境内でひときわ目を引く大銀杏は樹齢800年と伝わります。本殿の横は散ったイチョウの葉で黄色に染まり、岩戸落葉神社を彷彿とされる状況。さらには他の木々の落ち葉も境内には溢れており、まさに京都市街地の落葉神社と言えるでしょう。

大将軍神社(東三条社)は、平安遷都にあたり京都の四方に祀った大将軍神社の一つとされ、歴史的にも由緒があります。かつて神社一帯は今よりも深い木々に覆われ、「鵺(ぬえ)の森」と呼ばれていました。平家物語には源頼政が鵺退治をする伝説が出てきます。この神社の森から黒雲が湧き上がり、御所を覆うと天皇が発作で苦しんだとのこと。鵺は想像上の生き物で「ヒョーヒョー」と声を発するところから、その正体はトラツグミだといわれています。YouTubeでも声は聞けますが、真っ暗な闇夜の森でこの声を聞いたとすると、普通はさぞ恐ろしく感じたことでしょう。しかしそれに怯まないのが、さすがの源頼政です。かつての鵺の森も、秋には今のように落ち葉で満ちていたのかもしれませんね。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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