光明院の「波心の庭」 建仁寺の「潮音庭」


先日、東福寺の塔頭の一つ光明院と、建仁寺へ行ってきました。

9日・10日は今シーズンで最も強い寒気が押し寄せ、真冬並みの寒い一日となっています。一昨日(8日)午前9時の地上天気図では、大陸に1056hPaの優勢な高気圧が解析されており、寒気の強さを物語っています。冬型の代名詞で「西高東低」という言葉がよく耳にしますね。天気図は地図と同じで、等圧線を等高線のように見、風は水のように流れていると捉えると、西高東低の気圧配置は、西にある高気圧の大きな山裾から、東にある低気圧の深い谷や池へと寒気が流れていくイメージがつかみ易くなるのでは思います。

東福寺の光明院

さて、京都の紅葉紹介もそろそろ最後です。今回の東福寺・光明院の波心(はしん)の庭は、昨年の報道ステーションでも紹介されたお寺。どの方向から見ても美しく見えるようにと設計されており、本当にその通りだなと行くたびに感じさせてくれます。別名「虹の苔寺」という素敵な呼び名もあるように、苔(ウズマキゴケ)が大変美しい。今はそこに紅葉の赤の彩りが加わる時期でもあります。

光明院は東福寺の塔頭の一つですが、明治の廃仏毀釈で荒廃してしまいます。京都に吹き荒れた廃仏毀釈の波も相当なもので、禅寺の塔頭の中にはそのまま姿を消したものも多くある中、こちらは明治末期の住職が尽力し再興。その後、昭和の名作庭家・重森三玲が寺の名前にちなんだ「光明」が発するようにとのイメージをもって庭を築きました。中央と南北に三尊石を配置、それぞれ釈迦三尊・阿弥陀三尊・薬師三尊を表しています。そこから大小75個の石が配置され、それらの石は羅漢とされています。重森三玲の庭は、斬新な石の配置が特徴的で、初めて見ると衝撃を受ける方も多いようです。京都では東福寺を中心に見られますので、一度ご覧になってみて下さい。

光明院のもう一つの特徴は丸窓。撮影でもよく使われる場所です。吉野窓とも言われていますが、格子のかかるその窓にどの角度から後ろの景色を切り取るかも個々人の自由。一般的には、上側の格子の密度が低い部分に三尊石を透かす写真がよく見られます。また、このお寺ではじっくりとお庭を眺めておられる方をよく見かけます。拝観時間は日没までというのも、お寺の方の心配りなのでしょう。拝観料も志納ですが、300円程度が推奨とのこと。入口の竹筒にお忘れなくお納めください。

建仁寺の潮音庭

建仁寺の境内も紅葉が美しい場所です。街中にあるため遅めの色づきです。有料拝観の場所では潮音庭(ちょうおんてい)の紅葉がおすすめです。こちらも座って眺める枯山水のお庭。四方正面ですので、どこから見てもよいのですが、やはり毛氈が敷かれている入って手前側の場所が一番人気でしょう。薄暗い室内から眺めるお庭は、やはり京都の一つの象徴的な光景で、今はそこに赤い紅葉が加わっています。

庭の中央には三尊石。その奥の建物内をよく見ると、風神雷神図屏風(複製)が見え、京都らしい写真も撮ることができるはず。建仁寺は祇園界隈にあるものの、穴場と言えるほど比較的静かな場所です。この日は夕方に訪れたのもあってか、景色のみの写真も撮ることができました。なお、建仁寺のお庭では、大雄苑や○△□の庭も知られていますが、大雄苑については方丈(本堂)屋根の修復工事のため、平成25年末まで見られないそうです。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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