京都の年末恒例行事


京都各地で年末の準備が進んでいます。

京都の年末も各地で様々な行事が行われています。21日には終い弘法市が行われ、東寺の境内は大賑わいでした。弘法市は弘法大師の縁日である毎月21日に行われていますが、年末の終い弘法は特に賑わいます。古い話ですが、昭和5年の終い弘法の時には火災が起こり、食堂(じきどう)が焼失するという出来事がありました。再建されている食堂の内部では、今でも無残に焼けてしまった仏像を見ることができます。今年も平穏無事に終い弘法が終わりました。

25日には北野天満宮で終い天神市が行われました。25日は天神さんの縁日で、弘法市と同じく毎月天神市が行われていますが、やはり終い天神は大いに賑わいます。今年は日曜日で、近くの西大路通を走る高校駅伝とも重なり、一層混雑が増していたように思います。これから受験シーズンに入るため、北野天満宮は初詣から大いに受験生で賑わうでしょう。行かれる方は若者のパワーに圧倒されないよう、気合十分でお望みください。邪道かもしれませんが、正面ではなく東側の門から最短で本殿を目指すコースも時間の無い方にはおすすめ。私はよく使います。「最短合格」という験も担げるかもしれません。

八坂神社では「をけら詣り」など年越しの準備が進んでいます。今日も白い服の神職の方が慌ただしく動かれていました。をけら詣りは、火縄(吉兆縄)に八坂神社で火を点けて持ち帰り、その火種で新年のお雑煮を焚くと一年間無病息災で過ごせるというものです。白朮(おけら)祭の神事は1日の午前5時から行われますが、一足早く大晦日の夜19時には本殿から灯篭に火が移され、火縄も授与されます。「をけら」とは、キク科の植物で漢方薬としても使われ、神事では「をけら」を混ぜたカンナ屑に点火されます。

をけら詣りの行われる境内は火縄が燃える香ばしい香りで満ち、火種が消えないようにクルクルと回して帰る光景は大晦日の恒例です。ただ、火気ですのでバスや電車には持ち込むことができません(昔は某電車はOKだったそうですが)。また、夜23時を過ぎると、日付が変わるまで初詣客を待たせるため一旦境内に入ることができなくなります(少なくとも昨年はそうでした)。ご注意ください。なお、境内では「をけら酒」と呼ばれる「をけら」が入ったお酒も授与されます(有料)。

30日の京都は雪が降っても不思議ではないほど寒くなり、実際雪が舞うかもしれません。年末年始を健やかに過ごせるよう、暖かくしてお出かけください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

より大きな地図で 八坂神社 をけら詣り を表示

「京都の年末恒例行事」への2件のフィードバック

  1. 年末行事や年越し準備の様子に京都らしい伝統の素晴らしさを感じました。
    師走は本当に早く過ぎてしまいます。辰年は平和な年になりますよう願いたいです。

    1. 抹茶さん
      今年はたくさんのコメントを頂き
      ありがとうございました。
      京都の年末は、古くから続く人々に根付いた行事や風習がありますね。
      2012年は穏やかな年であってほしいと思います。
      来年もよろしくお願いいたします。

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