城南宮 湯立て神楽 2012年


20日は、城南宮湯立て神楽が行われました。

湯立て神楽は、大釜の湯を笹で散らすことで、邪気を払い、無病息災を祈願する行事です。現在使われている大釜は、文政6年(1823年)の銘を持ち、さらに保管されている別の釜には元禄4年(1691年)の銘があるそうです。古くから行われてきた厄除けの行事なのですね。大釜には城南宮の神紋である日月星(三光の紋)が描かれているのが印象的。少なくとも江戸時代から神紋が変わっていないこともわかります。なお、この神事の表記は「湯立神楽」「湯神楽」などがあるようですが、ここでは城南宮ホームページに記載の「湯立て神楽」に統一します。

神事の後、巫女さん4名により祓神楽(はらいかぐら)が奉納されました。笛や太鼓の日本らしいお神楽です。最初は扇を持つ「扇の舞」、次に鈴をもって「鈴の舞」を、どちらも美しく優雅に舞います。お神楽の様子は動画もありますのでご覧ください。神楽の後、巫女さんの鈴で参列者を清めていただけました。

続いて、たすきをかけた巫女さんにより、いよいよ湯立てが始まります。薪で焚かれた釜の湯は煮えたぎっていて、湯気がモクモクと上がっています。ここから先は、まるで料理を作っているかのよう。まず、礼をした後に大釜を塩で清めます。続いて柄杓(ひしゃく)で天の水をすくって大釜に注ぐ所作をし(杓取の儀)、次に洗米とお神酒を入れていきます。そして御幣の柄の部分で大釜の湯をかき混ぜ、舞を舞います。最後に両手に持った笹の葉でかき混ぜて完成(?)です。

いよいよ湯立て神楽のクライマックス、笹の舞!勢いよく大釜に入れた笹の葉を取りだしては大きく振り上げ、熱湯を飛ばして邪気を払います。この時の湯気が綺麗な円を描くとよいのだとか。巫女さんが笹を勢いよく釜に入れて振りかざすと、見事な蒸気の円が出来ました!!お囃子も軽快になって盛り上がります。それにしても、巫女さんはものすごく熱そうですが、それを全く感じさせません。何かが乗り移ったかのような・・・とは言いすぎかもしれませんが、結構鬼気迫る感じです。散らしている湯は意外と飛びませんので、参列者席の一番前で見ていても危険を感じることはありませんでした。

ひとしきり湯を飛ばすと、再度釜に笹を浸し、今度は参列者にも近づいて湯を散らして頂けます。この湯をかぶると無病息災になれ、願望も叶うのだとか。私も最前列で頂きましたが、思っていたほど(ほとんど)飛んできませんでした。熱湯ですので、もしかすると安全上の配慮もあるのかもしれません。しかし巫女さんは傍から見ているとやはりすごく熱そうで、火傷がないか心配になりました。

最後に巫女さんは、後ほど授与される福笹にも湯をかけて清めました。この福笹は有料(1000円)で数に限りがあるため、多くの方がすぐに列を作って求めて行かれました。先程舞を舞った巫女さんから直接手渡して頂けます。また、儀式の後に大釜の周りには参拝者が集まって、湯気を浴びておられるのも印象的です。

湯立て神楽は、なかなか豪快な儀式です。湯で邪気を払う行為は、古事記や日本書紀にも出てくる盟神探湯(くがたち)を連想させ、日本各地にも同様の行事があります。ただ、城南宮のようにお米やお神酒を入れるのは珍しいようです。また、映画・千と千尋の神隠しは、湯立て神楽をはじめとする湯の神事をヒントにして考えられたそう。もくもくと白い蒸気が上がる様は、神をイメージさせる空間の演出にはもってこいなのかもしれませんね。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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