御池通に咲く冬の桜 御池桜


御池通と柳馬場の交差点に、美しい御池桜が花を咲かせています。

この時期に満開の桜が見られるとは、なんとも嬉しい限り。桜は御池通にあって人の目にも触れやすく、写真を撮っている方もちらほらと見かけます。辺りに自然は少なく、ビルの谷間ともいえる場所。そして厳しい寒空の下に美しく花を咲かせる姿は、通りかかる人たちの心を動かすのでしょう。私も毎日のようにこの桜の前を通るので、いつも眺めています。

京都で秋や冬に咲く桜を見られる場所は、すぐに思いつく範囲でも、妙蓮寺・実光院(大原にも複数個所)・平野神社・円山公園・寺之内幼稚園前・日向大神宮・下鴨神社などがあります。きっと探せばもっとあるでしょう。ソメイヨシノのように木全体が花に覆われて目立つ桜ではなく、人知れずチラホラと花を咲かせている姿を見付けた時は、なんとも嬉しい気持ちになれます。

御池桜は、案内板によれば「不断桜」という種類で、例年12月から4月頃にかけて花を咲かせます。今年は11月1日に咲いているのを初めて見つけました。そこからゆっくりと花は増え、本数に勝る春の桜たちが現れるまでの冬の間中、粘って粘って咲いてくれます。桜が植えられたのは、2006年に京都御池創生館が出来た時だそう。柳池中学校の跡地を利用して作られた、中学校と福祉施設・商業施設を複合した建物は、京都御池創生館と呼ばれています。

不断桜はヤマザクラとオオシマザクラの交雑種だそうで、大原・実光院の桜も同じく不断桜。もっとたくさん植えたスポットを作れば、冬の京都観光にも一役買えそうですが、三重県にある木が天然記念物となっているように、大変珍しい種類のようです。こうしてひっそりあるのもまた、よいものですね。

三重県にある天然記念物の「不断桜」の名は、四季を通じて葉が落ちることがないところから名付けられたそうです。ただ、御池通の御池桜には、冬は葉を見つけることができません。また、元祖の不断桜は一重(ひとえ)だそうですが、御池桜は八重(やえ)のようです。そのため、御池桜は不断桜ではなく十月桜だとする説もあります。秋から冬に咲く桜の種類は複数あるようで、私が先に書いたいくつかの場所でも、品種は同じではないのでしょう。細かな品種を素人が見分けるのは難しいかもしれません。いずれにしても、寒い時期に咲く桜というのは、それだけで大いに価値があります。一足早く、満開の春を見せてくれている御池桜。付近を通られる際は、是非ご覧になってみて下さい。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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