積雪の京都 平安神宮からの朝日


18日の京都は、今シーズンで初めてしっかりとした積雪となり、市内各地で雪景色を楽しむことができました。

前日(17日)の夜からレーダーなどの実況を見て、「積もる」を確信して窓を開けると、屋根にはうっすらと積もり始めていました。先日のブログで書きましたが、このまま1cm以上の積雪が観測されずに2月が終われば、10年に1回ほどの珍しい年となるところでしたが、今シーズンは最後になって積もってくれました。

積もった理由は、JPCZと呼ばれる「強い雪雲の帯」が京都を直撃したためです。この強い雪雲の帯は、大陸にある白頭山によって左右に分かれた冷たい風が、日本海でぶつかることで上昇気流を強め、より強い雪雲となったもの。雪雲の帯は、京都府の横幅ほどで決して太くはありませんが、まるで地面に置いたホースに勢いよく水を流した時のようにうねりながら、当たった場所に大雪を降らせます。時にはムチのように横になって日本海沿岸を叩いたかと思えば、小さくても激しい渦も含んだり、今回のように直線でダイレクトに繋がると狭い範囲でドカ雪を降らせる、やっかいな存在です。

京都の気象台(円町付近)での積雪は、18日午前1時に最大で「5cm」まで行きましたが、その後は「強い雪雲の帯」の流れから外れたため雪が弱まりました。そのため積もった雪は解けて行き、明け方6時の段階では2cmまで減りました。という数字を家で見て出かけましたが、感触では東山区では10cmほど積もっていました。本当に積雪は難しい。今回は日の出前から日没まで、東山と大原を中心に京都各地を巡ってきました。その様子を、何回かに分けて書いて行こうと思います。

日の出前の外は道路にも雪が積もり、最初は二条城・神泉苑と御金神社などを見て、平安神宮に向かいました。空にはもうすぐ新月を迎える月が浮かびます。宵に見える三日月とは向きが反対なのが面白い。神泉苑では池が鏡のように穏やかで、日の出直前の薄明の中、幻想的な雰囲気を醸し出していました。

平安神宮の付近は10cmほど積もっていて、進むのもなかなか大変です。平安神宮では、朝早くから熱心なカメラマンが訪れていました。そして、ちょうど東山の峰から日が昇り始めていて、その美しさは息をのむほど。白銀の世界をキラキラと照らす光景は、心底美しいと思えるほど感動的でした。後ほど家に帰って写真を見ても感動してしまいます(笑)平安神宮は早い時間から開門をしていて、空も地面も広く、東の山々も見えて、雪の朝日を望むにはお勧めの場所です。ただ、「雪の降った朝に朝日が見える」ことが必要条件で、これは結構難しい。朝日の出るタイミングで雪が止むという、運も必要になるでしょう。今回はたいへんラッキーでした。

平安神宮の後も、どんどん回ってきました。今シーズンの雪の機会がもっとあれば、無理はしなかったかもしれませんが、12月から待ちわびた機会。しばらく雪の話題を書いて行こうと思います。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

「積雪の京都 平安神宮からの朝日」への2件のフィードバック

  1. 京都も雪が積もったのですね。平安神宮の雪の光景がとても美しいです。雪が積もった時の静けさや歩いた雪の音などを感じながら景色を楽しむのもいいなと思いました。

    1. 抹茶さん
      コメントありがとうございます。
      そうですね!
      雪の積もった日は寒いのですが、
      静かな世界をじっくりと楽しむことができます。
      京都市街地で雪が積もるのは年に数回ですので、
      やはり人気が高いです。

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