嵯峨野 竹の秋


先日愛宕山に登った帰りに、嵯峨野を遠望すると、竹林が茶色くなっていました。実はこれは竹の秋と呼ばれる現象。以外にも、竹は春に落葉し、秋に青葉を茂らせます。

葵祭は16日へ順延となりました。16日は高気圧に覆われて晴れるため、巡行日和となるでしょう。順延は1997年以来のこと。仮に16日も雨が降ってしまうと中止になりますが、今年に関してはその心配は全くありません。しかし、一日ずれるというのも各方面への影響が大きく、この日を楽しみにされていた方には本当に辛い話で、天気の影響の大きさを感じます。列に加わるアルバイトも都合がつかない人が出てしまったようで、急募の求人も見かけました。京都を代表するお祭りの一つであるだけに、主催者の決断も重いものがあったことでしょう。

さて、竹は毎年新しい葉に入れ替わりますが、それがちょうど春。ちょうど旧暦3月の頃にあたるため、旧暦3月の別名を「竹の秋」とも言います。まさに秋のように葉が茶色く変わって、風が吹くと散っていきます。他の植物が青々と葉を茂らせる頃に葉を散らすのはなかなか面白いですね。一説では、竹がこのように枯れるのはタケノコなどの「子ども」に栄養を奪われる為ともいわれています。タケノコは時に驚異的な速さの成長を見せることで知られますが、その影では親が身を切って支えているのかも知れません。

とはいっても竹は常緑で、葉が全て散り果ててしまうこともありません。あくまで入れ替わりで新しい葉はちゃんと出てきています。そしてタケノコは若竹となって旧暦8月頃には青々と茂り、まさにこの秋の竹は「竹の春」と言われます。春と秋が反対になっているのが竹。面白いですね。

また、竹がこのような生態を取っている理由は、他の植物を出しぬくためともいわれます。春に散った葉は地面を覆い尽くして、他の植物の成長を妨げ、自らは新しい葉や若竹を夏にかけて準備万端整えて、日差しを遮ります。そうして得た栄養分は地下茎へと渡り、活発に地下から竹の範囲を広げていきます。このように竹は旺盛な繁殖力を持っているため、ほおっておくと元からの樹木を枯らしてどんどん増えていくという弊害も持っていて、近年は担い手不足で放置された竹林が増え、問題にもなっています。美しいだけではなく、やっかいものでもある竹。バランスが難しいところです。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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