建仁寺・大統院 写真展と耕雲庭


建仁寺大統院で、花園大学・写真部の春季学外展が開催中。若さあふれる写真や、市松模様のお庭・耕雲庭を眺めることが出来ます。

大統院は建仁寺の塔頭で、市松模様の耕雲庭(こううんてい)が印象深く、特別公開されることがあります。この庭は平成22年から北山安夫氏によって作庭されています。命名は建仁寺派管長・小堀泰巌(たいがん)氏によります。「耕雲」とは道元禅師の「釣月耕雲(ちょうげつこううん)」という禅語に由来し、「月を釣り、雲を耕す」、すなわち世俗を超越し、月を釣り・雲を耕すような広い心境を表す言葉だそうです。道元禅師といえば曹洞宗で、建仁寺の臨済宗とは異なる宗派ですが、同じ禅宗ということで通じるところもあるのでしょうか。

お庭は苔と石との市松模様が印象的です。北山安夫氏と小堀泰巌氏の組み合わせは、建仁寺本坊の潮音庭とも同じです。京都のお庭は何百年もの由緒を持つものも少なくありませんが、新しくとも落ち着きを感じさせてくれる、建仁寺のようなお庭もまた京都らしいのでしょう。

写真展では、大学生の写真もユニークで面白いです。一枚の写真の中に撮影者はさまざまな思いをこめていて、禅問答のように訴えかけてくるものがあるかもしれません。入り口でタイトルや撮影者の一言コメントを書いた紙が頂けますので、写真に思いをめぐらせてみるのも楽しいでしょう。期間は24日まで。時間は午前11時より午後6時まで(24日のみ17時まで)です。なお、大統院は、奥田頴川(えいせん)の赤絵の皿や、円山応挙の足のない幽霊の絵など貴重な文化財も所蔵されています。今回の写真展では見られませんが、また特別公開の機会がありましたら、目にしてみたいものです。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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