宵山から山鉾巡行へ


16日は祇園祭宵山。12日から5日間楽しめた長い前夜祭もとうとう最後の日を迎えました。明日はいよいよ山鉾巡行です。

16日の京都はよく晴れて気温は35℃を越える猛暑日となりました。しかし、梅雨明けは発表されず。天気図的には梅雨明けさせないのが不思議なほどですが、気象台は台風や局地的な雷雨を気にしているようです。はっきり言って、この先もう梅雨前線は戻ってこないでしょう。にも関わらず梅雨は明けないのです。このように梅雨明けは全くもって気象学的ではなく、人間が人為的に季節に境目を付けるのが「梅雨明け宣言」。梅雨の情報価値の一つは防災面にあるでしょう。ここ数日は大雨による被害が頻発しており、「まだ危険がある」ことを示す為に、梅雨のままにしているという理由が考えられます。これは台風情報でも同じで、台風もあえて温帯低気圧にせずに、台風のまま解析していると思しき時があります。天気予報とは科学的なようで非科学的なところも多い、人間臭いものです。いずれにしても、実質的にはもう梅雨明けしているのと変わりません。17日の山鉾巡行も晴れて暑くなりそうです。熱中症には十分ご注意ください。

さて、16日は宵山。今年も32基の山鉾+3基の休み山の全てを見てきました。休み山を含めた完全制覇を目指すのに最も難易度が高いのは鷹山です。休み山で近年は会所飾りも16日の夜しか出ないため、ある意味「幻」の山といえるでしょう。鷹山の御神体人形はとてもユニーク。鷹匠と犬飼い、樽を背に負って隠れて粽を食べようとする従者の人形で、しかも「粽食い」はカラクリになっていて、粽を持つ手が動くようにできているそうです。かつては大型の立派な山でしたが、江戸時代に大雷雨で懸装品に被害が出て以来、復興できていません。私もこの人形が好きで、毎年必ず訪れてはいくらかの志納金を置いてきます。いつか復興する日が来てほしいと個人的には願っています。

いよいよ明日は山鉾巡行。つい先ほど、北観音山の日和神楽が八幡山の町内を通り過ぎて行きました。八幡山はこの日和神楽を見届けてから提灯を落とします。山鉾町に昔から住む方々は隣の山鉾は見ないという話をよく聞きますが、こうしてお隣の北観音山の神楽が通り過ぎるまで明かりを消さないのは、お囃子を持たない八幡山の皆さんも楽しみにされているからかもしれませんね。お神楽が通り過ぎて、提灯を落とした八幡山。明日はいよいよ山鉾巡行です。今年は諸事情でお手伝いが出来なかったのですが、来年はしっかりお手伝いをさせて頂きたいですね。町内の山の晴れ姿が楽しみです。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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