祇園祭の還幸祭 三条御供社にて


7月1日に長刀鉾町のお千度参りで始まった祇園祭も、明日31日の疫(えき)神社夏越祭で終わりを迎えます。24日はお神輿が八坂神社へと戻る還幸祭が行われました。

山鉾巡行だけが祇園祭ではありません。むしろ祭りの筋から行けば山鉾巡行は前座に過ぎず、神輿が巡行する神幸祭や還幸祭が祭りの中心といえます。17日の山鉾巡行によって清められた京都の街を神輿が巡行して、四条寺町の御旅所に鎮座すること一週間。24日には還幸祭が行われて八坂神社へと神輿が戻って行きました。

その還幸祭で必ず立ち寄るのが三条御供社(ごくうしゃ)。別名、又旅(またたび)社とも呼ばれ、一度四条寺町の御旅所に入ったお神輿の「またの(再びの)お旅所」という意味です。御供社と呼ばれるのは、この還幸祭の時に神輿が立ちより、神饌をお供え(御供)するため。23日には神泉苑を模した芝の上に御幣を立てる「オハケ」でも知られます。祇園祭の発祥は神泉苑で催された祇園御霊会で、この御供社の地はかつての神泉苑の端であったことから、芝は神泉苑を、御幣は神輿を表すとされます。

本来、山鉾巡行の役割は神輿が出る前に街々を清めることにあります。その意味では現在17日のみで行われる山鉾巡行は正しい姿ではありません。巡行が17日に統一されたときに清めの行事の代わりとしてできたのが花傘巡行。現在、24日の山鉾巡行を復活しようとする動きもあって、花傘巡行が見られるのもあと数年かもしれません。傘には、空から降り下りる疫病の神を防ぐ役割があるとされ、今宮神社のやすらい祭りや、山鉾巡行に見られる傘鉾も知られます。花傘巡行では傘だけでなく子ども神輿や祇園太鼓、舞妓さんの巡行もあってとっても華やか。これはこれで、数十年の歴史を築いてきました。24日の山鉾巡行が復活すれば花傘巡行はどうなるのか。個人的には、なんらかの形で残ってくれればと思います。

さて、還幸祭では三条御供社に立ち寄るため、三基の神輿が三条商店街に入ってきます。最初はスサノオノミコトが乗る中御座神輿。商店街のアーケードに太鼓の生演奏も響く中、ホイットホイットのかけ声が聞こえてきました。三条御供社の前まで来ると勇壮な差し上げを見せてくれました。その後、神事が始まり、神饌が供えられた後、再び三条通を進んで行きます。私は自分の町内に戻って神輿を待っていましたが、やはり祇園祭はお神輿を見なければと感じますね。町内の皆様も集まってきて、中には椅子を置いて3基の神輿が来るのをのんびりと待っている方もいます。祇園祭は特に山鉾巡行は大いに観光化されていますが、還幸祭などはまだまだ地元の方々のお祭りであることを強く感じます。

いよいよ明日の夏越祭で終わりを迎える祇園祭。大船鉾の復活など今は大きな変革期にあって、来年以降の動きも要注目です!三条御供社前での神輿の差し上げなどの様子は動画もありますので、ご覧ください。ちなみに神輿の上にくくり付けられている青稲は、煎じて飲むと熱さましの効果があるといわれています。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

より大きな地図で 三条御供社 を表示

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です