東大谷の万灯会 車折神社の万灯祭


先日のお盆の期間中、東大谷の万灯会と車折神社の万灯祭を見てきました。

さて、実はいずれの行事も2年連続で足を運びました。東大谷の万灯会はお盆の期間中に夜でもお墓参りができるようにと、約1万個の灯籠が灯されるもの。昭和36年に始まった比較的新しい行事です。お盆といえば先祖の霊である「お精霊さん」を自宅に迎える期間であることが知られますが、なぜ自宅にご先祖の霊がいるのに墓参りをするのか、という疑問もわくかもしれません。実は浄土真宗では自宅にお精霊を迎えません。そもそも「霊」という概念は仏教由来ではなく、日本古来からの観念によるものです。浄土真宗では、常にそばにご先祖様がいて下さるという考え方をし、その意味では毎日がお盆とも言えるかもしれません。ただ、お盆という習慣を縁にしてお墓参りをすることで、仏となった先祖を偲び、思いを深める機会とされています。

教義的なお話はいろいろとあるものの、静かに灯る明かりはやはり純粋に美しいと思えるもの。東大谷からは京都の夜景も美しく、この世を生きている人々が灯す明かりと、お墓にともる灯りはつながって、その境目を無くしているかのようです。縁を持ってここを訪れる人々にとっては、穏やかな光とともに先祖を偲び、教えを感じる大切な機会なのでしょう。

車折神社の万灯祭も、14日~16日にかけて境内に灯される色とりどりの灯篭が、美しく幻想的です。こちらは全国の信者から寄せられた願い事が書かれた灯籠が灯され、その成就を願う行事です。お盆の期間はご神霊が最も身近になる時期とされ、それだけ霊験あらたかな期間とされます。こうして灯りを奉納することで願い事が自然と成就して行くと考えるのです。

神社とお寺。神と仏。精霊と神霊。一通りではない様々な宗教的な概念を持った行事が交差するのがお盆の時期。加えてそれぞれの地域ごとにも、風習の違いが現れるのがお盆です。改めて考えてみると、いろいろと不思議なこともありますね。宗教について考えさせられた今年のお盆でした。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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