鞍馬の火祭 2012年 御旅所での注連縄切り


10月22日に行われた鞍馬の火祭。今回は祭りの始まりから御旅所での勇壮な注連縄切りの場面です。是非動画でご覧ください。

さて、今回の私は御旅所やその下の街道で火祭を見てきました。18時になると下の方から「神事(じんじ)にまいらっしゃーれ」の掛け声で祭りの始まりが告げられ、各家の前の松明が灯されていきます。こうした松明は各家が準備をしており、手持ちの松明も山で柴(ツツジの小枝)を刈って各家に配られ、それぞれで作られています。街道を照らす炎が盛んになってくると、今度は「トックリ」と呼ばれる比較的小さな松明を幼児が担いで「さいれいや!さいりょー!」と元気よく声を出して歩いて行きます。非常に可愛らしい光景で、こうして小さな頃から祭りに携わっていくことで伝統が受け継がれて行くのでしょう。

松明が街道を行きかうようになると、事前に告知されているよりも規制線が長く御旅所付近まで伸びてきますので、私は折りを見て御旅所内で待機をしました。御旅所でも大きな火が焚かれ、火の粉が空へと舞い上がっています。街道は次第に大混雑となり、本当にうまく立ち回らないと身動きが取れなくなってしまいます。私は御旅所内から街道を見渡せる場所に立ち、この後の御旅所での注連縄切りの場面をじっくり見ることができました。前半の山場ですので、予め御旅所内で待機しておくのもお勧めです。

子どもたちの「トックリ」に続いて、段々と大きな松明が出てきます。松明の大きさに応じて担ぎ手の年齢も上がっていくわけです。大人が担ぐ最も大きな松明は大きさ4m、重さは100kgを超えることもあるそう。男の甲斐性で担ぐので「甲斐性松明」とも呼ばれ、昔はこれを一人で担いでいたそうですが、最近は昔ほど体力に満ちあふれた若者が少なくなったため、2~3人で担いでいます。

20時になると、御旅所に大きな松明が集合してきます。御旅所入口の鳥居と、後ほど神輿が置かれる舞台には締め縄が張られており、注連縄切りが行われるのです。「さいれや さいりょう」の掛け声も大きく、太鼓や鐘の音もリズミカルで、まさにお祭りという雰囲気。辺りは人々の密度も非常に高く、その意味でも熱気を感じられます。

松明は重さが約100kgで重心が上にあるため、高く掲げるのは至難の技ですが、御旅所内では次々に並べられています。合計9本の松明が上がりました。しかし、途中は何度もバランスを崩して倒れ、その度に火の粉が舞いあがって、観客からも「わ~」と歓声とも悲鳴とも取れる声が上がります。それにしても境内に大松明がそろい、大きな炎がいくつも並ぶ様子は壮観でした。

松明がそろうと皆で「お~!」と声を上げ、その間に鳥居の注連縄が切られます。続いて神輿を置く舞台の注連縄も切られ、神輿を迎える準備が整うのです。境内は熱気に包まれていますが、松明はすぐに御旅所を出て山門下へと向かっていきます。山門下では、街道の上の方からも大きな松明が集まってきて大変勇壮な光景となりますが、御旅所の注連縄切りを見てから移動をするのは混雑ぶりから見て難しいでしょう。数年かけないと祭りの全貌を見ることはできないかもしれません。ただ、今年は出来る限り頑張って来ました。次回は「チョッペンの儀」やお神輿が御旅所へと入る場面をご紹介する予定です。注連縄切りなどの場面は動画でもご覧ください。


ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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