京都のブルーライトアップ 2012年


今年も世界糖尿病デーのブルーライトアップが京都でも行われました。

糖尿病はいまや世界中で10秒に1人が命を落とすと言われるほど患者数が増え、今後も増加が見込まれています。日本でも予備軍を含めるとなんと人口の1割を超え、40歳以上では3人に1人も存在しているとのこと。糖尿病はその自覚症状に乏しいことから、疑いがありながら治療を受けないことも多いそうです。そのため、国連も「糖尿病の全世界的脅威を認知する決議」を可決して、啓発の目的で11月14日に世界中でブルーライトアップが行われます。なお、ブルーは国連や空を表す色だそう。

今年は清水寺が全国の建物の中でもシンボルになっているそうで、三重塔が青くライトアップされ、さらに観音様の慈悲の光を表す通常の青い光に加えて、一筋のより青い光が空に向かって伸びました。今年の京都のブルーライトアップは11月14日だけでなく、11月24日からの数日間にも行われました。折しも紅葉シーズンと重なり、清水寺は大変な混雑!いつもとは違いブルーにライトアップされた三重塔は、真っ赤な紅葉と見事なコントラストを見せてくれました。

さて、京都では他にも東寺や京都タワーなどがブルーに照らされました。昨年は月が程よく昇って美しい光景が見ることが出来ましたが、今年は京都タワーで音楽噴水と一緒に撮影してみました。期待通りの綺麗さです。東寺でも、近所の方が青く照らされている五重塔の写真を撮っていました。実際にはかなり暗めに照らされているため、写真はピントが合わせにくく撮るのは至難の技だったことでしょう。

京都駅では、14日にクリスマスツリーも特別に点灯され、大階段にもイルミネーションが輝いて見事の一言!大階段からは京都タワーが見える場所があり、ツリーとタワーと両方一緒に写真を撮ってみました。

話は変わりますが、京都と糖尿病といえば、藤原道長を思い出します。貴族の頂点を極めた道長は糖尿病で亡くなったとされ、藤原実資(さねすけ)の日記・小右記には、道長の病状について「のどが乾いて、水を多量に飲む」、「体が痩せて、体力がなくなった」、「背中に腫れ物ができた」、「目が見えなくなった」という糖尿病に伴うものが記載されています。日々の食べ物に困る人々がいた時代でも、さすがに栄華を極めた道長は贅沢なものを食べていたのでしょう。さて、様々にいつもと違う京都を見せてくれたブルーライトアップ。改めて、食に恵まれた現代を思い、一方で健康の大切さを感じるのでした。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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