一休さんゆかりの一休寺


京田辺市に、一休さんゆかりの一休寺があり、紅葉が見事なことでも知られています。

一休寺はあくまで通称で、正式には酬恩庵(しゅうおんあん)といいます。創建は鎌倉時代で、その後荒廃していたお寺を一休宗純が復興しました。酬恩庵という名は、宗祖である南浦紹明の「恩に酬いる(報いる)」というところから来ています。一休禅師が没するとこの地が墓所ともなり、現在も境内には後小松天皇の子ともいわれる一休禅師の墓が宮内庁管理の陵墓として残されています。

方丈の周りには枯山水の庭が広がり、南は白砂、東は十六羅漢の庭として知られ、北にも勇壮な巨岩が並ぶ名庭となっています。この方丈内陣の仏間には一休禅師の像があります。等身大の像で、一休禅師の遺髪と髭を植え込んだとされますが、現在は無くなっているそうです。この像は遠巻きに拝することが出来ます。

境内では本堂が室町時代の建築で重要文化財なのをはじめ、方丈や玄関、庫裏、浴室、東司、鐘楼なども重文で、付近にはまだ緑が残り、緩やかな丘陵の中に佇む寺は、歴史ある立派な禅宗寺院としての景観を保っています。ただ、近年の宅地開発によって景観が損なわれるとして問題にもなるなど、伝統と近代化の間にある寺院です。

さて、一休さんといえば小坊主ながらも、寺社奉行の蜷川新右衛門さんに連れられて、将軍様のいる金閣寺に赴き、見事なトンチで言い負かす様が有名ですね。私も子どもの時にアニメでよく見ていました(笑)一休さんがいたお寺は安国寺で、厳しい和尚さんの「喝!」という姿が印象的でした。母は後小松天皇の寵愛を受けますが、宮中を追われ、一休も寺に入れられてしまうのです。実は安国寺に一休さんがいたのは事実で、残念ながら京都の安国寺は現在はなくなっていますが、場所は四条大宮付近にありました。アニメの中での、少し高台で急な階段があるお寺というのは演出のようです。ただ、あの「てるてるぼうず」や、さよちゃんや先輩の小坊主たち、桔梗屋さんなども偲びながら四条大宮に立ってみるのも悪くはありません。

一休寺には一休さんにちなんで小坊主の像と、老年になってからの像とがそれぞれあります。老年の像は、一休の生前に描かれた肖像画に似せられていますので、実際の姿に近いのでしょう。小坊主さんの像は頭の部分が綺麗に光っています。またトンチにちなんで「このはしわたるな」の橋もあり、「あの虎の絵」もありますよ(笑)

境内は紅葉が美しく、私が訪れた日(11月27日)は既に盛りは過ぎていましたが、参道の紅葉が一本見事に日差しに輝いていました。大人になってからの一休禅師は、破天荒な僧として知られ、「とんちの一休さん」とはまた毛色の異なる数々のエピソードも残していますし、アニメと史実は色々と違ってはいますが、個人的には「とんちの一休さん」が修業をしたのもこのような場所だったのかと偲ぶにはよい場所ではないかと思っています。機会がありましたら、足を延ばしてみて下さい。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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