冬至とクリスマス寒波


明日21日は、昼が最も短い冬至です。また、先日お伝えしたクリスマス寒波の流れが見えてきました。

明日21日は二十四節気の一つ、冬至。24ある節気の中でも、夏至・春分・秋分と並んで、「二至二分」と呼ばれる重要な節気です。ちなみに、冬至はあくまで「昼の長さが最も短い日」であって、「日の出が最も遅い日」や「日の入りが最も早い日」とは一致しません。日の入りが最も早い日は既に過ぎ去っていて、京都の場合、今年は12月1日~9日にかけての16時45分が最も早く、明日(21日)の冬至の時点では、16時49分と4分ほど夕暮れが遅くなってきています。反対に、日の出が最も遅いのはこれからで、京都では来年1月7日の7時6分が最も遅い日の出となるのです。

冬至は太陽の力が最も弱まる日であるところから、古くから人々の生活の中でも大きな節目とされてきました。実は、旧暦では冬至は必ず11月に入るように調整されていました。旧暦11月の別名を「神楽月」といいます。太陽の力が最も弱まるということは、裏を返せば冬至を過ぎれば太陽の力は増して行くということです。そこが、太陽の神・アマテラスが天岩戸から出るのを促した神楽にも繋がるため、神楽月と呼ばれるのだとする説もあります。また、冬至のことを「一陽来復」ともいい、陰の気が少なくなって陽の気が増すこれからを、運気の上昇にも重ねるのですね。気象的にも冬至の時期はいろいろ面白いものです。太陽の高さが低いため、真昼でも影が長く、日差しは斜めになって、その分空気を通りぬける幅が長くなるために、光は夏とは対照的に地上を淡く照らします。そして部屋の奥まで届いて、暖房のきいた室内では意外と太陽の暖かさを感じられたりもするのです。

春や夏は朝や夕方にしか見えない虹も、太陽が低い今の時期は真昼でも見ることができます。ちょうど昨日も、真昼にしか見られない「真北の虹」を眺めることが出来ました。ただ、これは太平洋側と日本海側の気候の境目に当たる京都ならではの風物詩かも知れません。古くから「北山しぐれ」は有名ですが、その源ははるばる日本海からやってくる雨雲。京都より北では、雲が空を覆い尽くしてか弱い日差しでさえも遮ってしまい、京都より南では、以外にも儚く消えて雨を降らせず、いずれも虹を見せてはくれないからです。晴れたり曇ったり、雨や雪が降ったりの「しぐれ」とそれに伴う「北の虹」は、まさに気候の境目にいる証拠でもあるのです。

さて、つらつらと書いていたら前置きが長くなりました。クリスマス寒波です。早くから注意喚起がなされていましたが、結論から言えば、京都を含む西日本では23日~25日を乗り切れば、年末は平年並みからむしろ暖かくなっていきそうです。冬型は持続性が強いのが特徴ではあるものの、今回はすんなりと流れて行きますので、単発で済む予想。一先ず「年末までずっと極寒」ということはありません。ただ、それでも24日のクリスマスイブを中心に、京都や東海地方などでも雪の降りやすい時間帯が出てきそうです。最新情報に十分ご注意ください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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