京都の初詣 2013年 その2


元日の京都、善峯寺で絶景の初日の出を眺めた後は、松尾や嵐山・嵯峨野の社寺を回りました。

元日の京都、実は善峯寺に行く途中に大原野神社にも参拝をしていました。時刻は午前5時台という早朝でしたが、恐らく徹夜をしていると思われる若者が何組か訪れていました。大原野神社は、長岡京以来の藤原氏の氏神、現在は洛西の氏神として地域の信仰を集めています。

さて、善峯寺の感動も冷めやらぬ中、山を下り、松尾大社方面へと向かいました。途中、鈴虫寺の前を通ると、さすがに元日の朝ということもあってか拝観待ちの列は伸びていませんでした。元日に鈴虫寺に参拝するのも、幸福地蔵のご利益が授かれそうですね。

鈴虫寺の先にある月読神社は、地元の参拝者が訪れていたものの、まだ静かな境内でした。ところが、松尾大社まで来ると、車も人もかなりの混雑ぶり。特に駐車場は朝から満杯で、入るのを待つ車の列が伸びていました。さすが洛西きっての信仰を集める神社です。境内には、大きな蛇年の絵馬が掲げられ、名物の樽占いも大盛況でした。酒にまつわる神社ということで、絵馬の蛇の前にもお神酒が描かれ、酒瓶の奉納の数はものすごく、大きな会社からの樽酒が惜しげもなく積み上げられていました。境内では干支の文字が入った桝が有料で授与され、買い求めた方にはすぐにその場で桝にお酒が注がれます。さすが松尾大社ですね!

舞殿では、ちょうど金剛流の謡曲シテ舞も披露されました。謡曲は能の脚本にあたる部分で、能と同じように独特の口調で歌われます。シテ舞ではこの謡曲に合わせて舞が舞われ、新年にふさわしい伝統色の強い奉納でした。

大賑わいの松尾大社を後にして、嵐山へと向かいます。ある程度の混雑を想像していましたが、大堰川にはボートの姿もなく、実際には人は少なめでした。初詣の人々でごった返す東山とは対照的に、嵐山・嵯峨野には野宮神社を除けば有名な神社が無いため、元日でも静かなようです。世界遺産の天龍寺も境内の人出は通常の休日並みでした。

なお天龍寺は、昨年12月から本玄関や庫裏の修理に入っており、諸堂の拝観が平成26年まで休止となっています。その代わりに、法堂の雲龍図が原則的に常時公開となります(元日と2日はお寺の行事のため見ることができませんでした)。今年はお堂に上がって桜や紅葉が楽しめないのは残念ですが、雲龍図も素晴らしいので、是非ご覧になってみて下さい。

嵐山・嵯峨野の初詣と言えば、やはり野宮神社を置いて他にはないでしょう。縁結びの神社として若者を中心に人気を集め、この日もやはり外まで参拝待ちの長い列が伸びていました。ただし!実は縁結びの社は、本殿ではなく、お隣にある大黒天の小さなお社の方ですので、ご注意を。そもそも野宮神社は、伊勢神宮に奉仕した斎王(斎宮)という未婚の皇族女性が身を清めるためにこもった場所を起源としているため、本殿のご祭神である野宮大神は、すなわち伊勢神宮の神・天照大神(アマテラスオオミカミ)と同じ神様なのです。その意味では諸願成就のご利益もあって、新年にはふさわしい神社です。ただ、天照大神は縁結びに特化はしていませんので、縁結びを強く願う場合は、本殿向かって右にある野宮大黒天の小社にも忘れずに参拝されるとよいでしょう。さて個人的には、野宮神社のおみくじを学生時代からよく引いており、今回は見事に大吉を引き当てました。このおみくじの通り、2013年が実り多き一年となるように頑張っていきたいと思います。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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