下鴨神社の御粥祭 関東の雪・京都の雪


14日、関東沿岸部では大雪となりました。今シーズンの京都は、まだ気象台で積雪が観測されておらず、公式には雪が積もっていません。また、15日は小正月。下鴨神社では御粥祭が行われ、小豆粥が振る舞われました。

まず、天気の話です。関東では、予想よりも多くの雪が積もり交通が混乱しました。都市部の積雪はもはや災害です。低気圧が南岸でここまで発達するのは10年に1度程度の頻度ではないでしょうか。将来、各種の気象解析本や、気象予報士試験にも解析事例として登場しそうな気圧配置でした。雨雪の判定と具体的な降雪量の予想は天気予報の中でも最も難易度が高い部類の一つで、頭を悩ませた気象関係者も多かったことでしょう。

雪は気温が同じでも湿度が高いと降りにくく、東京や横浜・千葉などの海に近い沿岸部では、そう易々と積雪とはなりにくいのですが、それでも積もったのは、低気圧の発達によって内陸からの寒気が引きこまれたことに加え、5mm/h以上の比較的強い降水によって上空から寒気が引き落とされたことも理由にあるでしょう。観測値を見ると、降水の強まりとともに、気温が低下して雪に変わっています。いずれにせよ、事前に予想ができなかったかといわれると、可能性での言及しかできないのが実情でしょう。天気予報は確率論。その情報のブレをいかに伝えるかが、予報担当者の裁量であり個性が出る部分でもあります。

京都でも、今シーズンは12月から寒い日が続いています。季節も寒の内に入り、1月20日には一年で最も寒い期間の「大寒」に入っていきます。が、今シーズンはまだ気象台では積雪が観測されていません。連続して統計のある1961年以降では、積雪0cmで終わった年は2002年と2003年の2回あり、積雪1cmで終わる年も複数回あります。このまま京都の本格的な雪景色が見られずに春を迎える可能性も統計的にはあり得ます。京都市街地で雪が積もる条件もなかなかシビアではありますが、次回は17日の夜から18日に積もる可能性があります。最新情報にご注意ください。

なお、初雪は12月10日に観測されていて、その時は金閣寺が雪化粧をして全国ニュースでも紹介されました。また、北野天満宮では初雪祭も行われていました。昨シーズンは雪が降っても、しっかりと積もっていないとのことで行われませんでした。12月10日も映像を見るときちんと積もってはいないものの、昨年行われていない為か、今年は少しでも雪のあるうちに行ったようです。初雪の日には、境内の影向松(ようごうまつ)に菅原道真公が降り立って和歌を詠むとされ、硯や筆を供える神事が行われます。

今日は1月15日の小正月。「松の内」とも呼ばれる、正月の期間もこの日まで。門松などの正月飾りも片付けられ、「どんと焼き」が行われるところもあります。かつては元服の儀式を小正月に行っていたため、長らく成人の日は1月15日となっていました(現在は1月の第2月曜日)。下鴨神社では御粥祭が行われ、小豆とお餅の入った「小豆粥」が振る舞われました(300円)。御粥祭では、小豆粥・大豆粥を神前に供え、国家国民の安泰を祈願します。参拝者に振る舞われる小豆粥のお餅は鏡開きをされたお餅だそうで、柔らかくおいしく頂けました。

小豆粥は平安時代から続く伝統行事。小豆の赤は邪気を払い、現在でも祝い事に赤飯はつきものです。1月15日に粥を食べる風習は枕草子にも記載があって、その内容は「女房が、お粥を炊くのに使った木を隠して、(ふざけて)誰かを打とうとしたり、打たれまいと後ろを伺ったりしている」と、なかなか面白いものです。また、かつては粥をたいた棒を削って、子どもを産まない女性の尻を打つと子どもが生まれるという信仰もあったそうです。新年には邪気を払う行事も多く、16日は上賀茂神社で弓を射る武射神事も行われます。冬の京都も行事は続いてきます。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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