北野天満宮の梅花祭


25日は北野天満宮で梅花祭が行われました。

今年も梅の開花が遅くなっています。京都地方気象台では「生物季節観測」が行われていて、梅の開花もその対象ですが、気象台での開花の平年値は2月20日です。梅の花は比較的開花時期のばらつきが大きい花で、最も早い年で1月27日、最も遅い年で3月17日が開花日となっています。昨年の開花は3月7日と平年より2週間以上遅かったのですが、今年もまだ開花しておらず、今の状況からすれば3月以降になることでしょう。

そんなわけで、梅で知られる北野天満宮も、まだ早咲きの梅がようやく見頃に近づいてきたという程度。境内の梅は9割方がつぼみといった状態です。例年2月25日の頃には境内が梅の香りで包まれますが、今年も見頃は3月に入ってから、恐らく3月中旬ころからとなりそうです。私は学生時代に北野天満宮の近くに住んだのですが、引っ越してきたのが2002年のちょうど今の時期。そして最初に北野天満宮に向かいました。境内はかぐわしい梅の香りに包まれて、初めて感じたその「甘さ」にとても感動したことを今でも思い出します。ちなみに2002年は春の訪れが早く、ソメイヨシノの開花はなんと3月18日。観測史上最も早い「春」が来た年でもありました。

北野天満宮の梅花祭は2月25日に行われますが、25日は「天神さん」の縁日です。天神さんとはご祭神の菅原道真のこと。道真は生まれたのが6月25日(旧暦:以下同じ)、左遷されたのが1月25日、そして命日が2月25日と、日付はいずれも「25日」で、現在の2月25日は道真が愛した梅の花が咲くころに当たるため、梅花祭が行われます。境内の梅は、人々が道真公に祈願して叶ったお礼として奉納したもので、現在のような梅に包まれた境内は、厚い信仰心によって作られた光景です。

梅花祭の神事は、午前10時から本殿で行われます。神に仕える神人(じにん)と呼ばれる氏子の方々が参列し、雅楽が奏でられる中、神職によってお供え物が運ばれます。また、玄米に梅の枝が立てられた紙立(こうだて)は「梅花御供(ばいかのごく)」と呼ばれる特徴的なもので、男女の厄年にちなんで紅梅は33本、白梅は42本が立てられて、神人によって奉納されています。神事は撮影禁止ですが、昨年神事へと向かう神職さんを撮った写真があります。神職の方が、菜の花を冠に差しているのも特徴で、道真の霊を「なだめる」のと、「なたね(菜種)」の言葉が似ているからだそうです。

そして梅花祭が人気を集める理由の第一は、上七軒の芸舞妓さん総出で行われる野点茶席でしょう。芸舞妓さんの数はおよそ30人といわれ、境内の一角が華やかさに包まれます。茶券は宝物館の拝観券も付いて1500円で、三光門前で購入できます。午前10時~午後3時までですが、はじめは大変な混雑となり、チケットを購入を含めてお茶を頂けるまで2時間待ちとなることもあります。後になるほど待ち時間が短くなりますので、並ぶ時間を少なくしたい方は午後から行かれるとよいでしょう。席は座礼席と立礼席(りゅうれいせき:椅子に腰掛けて頂く)とがあり、選ぶことができます。

違いは、立礼では飲み終えた後は個々のタイミングで席を立つことができますが、座礼席ではその場の一同が飲み終わるまで席を立てません。そのかわり席は内側で、より近くでお茶を立てる様子を眺めることができます。梅花祭の野点は非常に混みあいますが、京都ではこうして舞妓さんが目の前にお茶を運んで来てくれる茶会も割とありますので、興味のある方は調べてみて下さい。この日は、休憩に向かうと思しき舞妓さんの後姿にも出会いました。

北野天満宮の梅花祭が終わると、いよいよ京都も春に向かって本格的に動き始めるように思います。3月3日の雛祭りも京都各地で華やかな行事が行われますので、機会がありましたら、足を延ばしてみて下さい。個人的には、三十三間堂の無料公開や、その隣の法住寺のつり雛展はどちらもおススメです。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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