啓蟄の京都 動き始めた春


3月5日は二十四節気の一つ啓蟄(けいちつ)。今年はそれに合わせるかのように一気に暖かくなってきました。

啓蟄は冬眠していた虫たちが穴から出てくるころで、「暦便覧」では「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ればなり」と表現されています。春の二十四節気は現代でもぴったりなものが多く、京都ではほころび始めた梅の花や菜の花に、ミツバチが一生懸命に蜜を集めていました。だんだんと景色にも色彩が増え、華やかさが戻ってきています。

京都御苑の梅園はまだまだこれからですが、ようやく早咲きの梅は見ごろを迎えています。京都御苑は京都を代表する癒しスポット。笑顔で写真を撮る人たちをたくさん見かけました。御苑内の宗像神社では水仙が美しく咲いています。宗像神社は早咲き桜も多く、あと1か月もしないうちにずいぶんと華やかになるでしょう。

京都では、秋から冬を経て春にかけて咲く桜があります。このブログでも何度かご紹介して来た御池桜は、ようやく花が増えてきました。青空に映えるピンクの優しい色は、一足早い本格的な春を感じさせてくれます。桜は御池通と柳馬場通の交差点にありますので、機会があったら眺めてみて下さい。

梅小路公園でも一角に梅の花が咲いていて、10日までが梅まつりということで、座って梅を眺めることができます。タイミングが良ければ梅林の近くまで蒸気機関車が走って来ることもあります。京都では梅小路蒸気機関車館で乗ることができ、汽笛が結構離れた場所でも聞こえてきます。私が訪れた日は平日だったにもかかわらず、公園内は思いのほか賑わっていました。皆さん、春を待ちわびていたのでしょう。

梅園から水族館の方へと進めば、菜の花が登場します。この菜の花は「カンザキハナナ」という種類だそうで、ボランティアグループの皆様によって世話がされているようです。公園内は京都とは思えないほど空が広く、緑もいっぱいで、四季に美しい花が咲きます。京都御苑と並ぶ癒しスポットですので、是非、探検してみて下さい。公園はかなりの広さですよ。この日は京都水族館にも行って来ました。14日でオープン一周年を迎えますが、子どもたちからの人気は全く衰えていません。また近日中にご紹介したいと思います。

梅小路公園から見える五重塔は東寺の五重塔。境内には「超早咲き」の河津桜が何本もあります。この日(6日)訪れてみると、開花していました!!御池桜や御会式桜などは冬にもチラホラと咲き続ける寒桜ですが、河津桜は超早咲きではあるものの、春になってこないと咲きません。ここしばらくの暖かさで一気に開花が進んでくるでしょう。、東寺の河津桜は何本もあり、有料拝観ゾーン以外では、大師堂の北側にもあります。その他、京都では大規模なものはありませんが、一条戻り橋、清凉寺、車折神社、平野神社にもあります。6日の段階では、一条戻り橋と平野神社はまだ開花していませんでした。

さて、このまますんなり春が来るかといえば、それはあり得ません。春の天気変化は「三寒四温」という言葉もあるように周期変化です。そして時期的にもまだまだ北の寒気は戦力をしっかり保っています。春の空気との激しい戦いはこの先も必ず起こって、戦場となる日本付近は、気温の上下が激しくなります。こまめに天気予報を見て、特に気温に注意しながら服装や布団の枚数を調節して下さい。花粉や黄砂などとも相まって、体調を崩しやすい時期ですが、元気に春を楽しんで行きたいですね。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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