興正寺の紅梅


西本願寺のお隣、興正寺紅梅が見ごろを迎えています。

先日(6日)、北野天満宮を訪れると、全体的にはまだ4割程度ではありますが、梅もだいぶ咲き進んできていました。ここ数日でさらに開花は進むでしょう。枝垂れ梅もだんだんとほころんできて、城南宮の美しい枝垂れ梅も見頃が近づいてきているようです。梅にも早咲きや遅咲きがあり、トータルでの花期は1か月程度と長い花が梅でもあります。興正寺では三門前の紅梅が比較的早く、見ごろを迎えていました。

興正寺の梅は個人的には3年連続で見に来ていますので、ブログに書いていたかと思いきや、まだ書いていなかったようです。時々「毎日よくブログに書くことがありますね」と言われますが、京都の歴史や文化、見所は無限にあります。このブログでは食事やスイーツの話題をほとんど書いていないにもかかわらず、書くことはまだまだ尽きませんね(笑)

興正寺の梅は、浄土真宗らしい立派な伽藍とよく似合っています。西本願寺の隣にあるため同じ寺と間違われる方もいますが、別なお寺です。室町時代、佛光寺の経豪が佛光寺を弟に譲り、自らは山科に新たに興正寺を建立したのが始まり。当時の佛光寺は現在の京都国立博物館の地にあったことでもわかるように、天台宗の妙法院とつながりが深く、経豪はたもとを分かって本願寺の蓮如に近づき、名前を蓮教と改めています。

興正寺は山科本願寺とともに天文元(1532)年に、焼かれてしまいましたが、その後大阪に再興され、天正19(1591)年に本願寺とともに現在地に移転してきました。ただその後、本願寺と論争を起こし、明治9(1876)年に本願寺から独立して、現在に至っています。このように元々西本願寺とのつながりが深いため、伽藍配置も西本願寺と同じで、向かって左が御影堂、向かって右が阿弥陀堂となっています(東本願寺はこれが逆になる)。御影堂は明治45年、阿弥陀堂は大正4年の再建です。

三門前には紅白の梅が植えられていますが、例年紅梅の方が早く咲きます。京都の梅の中でも早い方に入る木ですので、いち早く春を感じられる場所です。この日は平日のお昼に訪れましたが、境内は梅を見に来る方が引っ切り無しでした。見事な伽藍に似合う立派な木。梅は、梅林として何本も植えられている場所が多いですが、このように1本だけでもしっかりと人々をひきつけてくれます。お近くまで行く機会がありましたら、門を覗いてみて下さい。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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