大山崎の桜 宝積寺 大山崎山荘美術館


昨日は背割提の桜をご紹介しましたが、今回は川の対岸、大山崎の桜をご紹介します。

大山崎は天王山のふもとに広がる街で、京都府と大阪府の境にあたります。桜の名所としては、宝積寺、アサヒビール大山崎山荘美術館、山崎聖天があります。いずれも天王山の坂の斜面にあり、急坂を登る必要はありますが、その分眺望に優れ、訪れた時の達成感もあることでしょう(笑)

大山崎山荘美術館は美しい佇まいの洋館が目を引きます。この建物は、大正から昭和の初めにかけて、実業家・加賀正太郎の山荘として築かれました。平成に入り、紆余曲折を経て、アサヒビールが美術館として再生し現在に至っています。美術館となる際に、世界的に有名な建築家・安藤忠雄氏によって新館が築かれ、洋風の山荘とコンクリートが特徴的な新館とが見事に融合した美術館となっています。「地中の宝石箱」と呼ばれる、地中館にはモネの睡蓮の絵が展示され、さらに2012年には山手館も完成し、現代アートが展示されています。

美術館の2階テラスからは、抜群の眺望が望め、先週訪れた時には、庭に咲き誇る早咲きの枝垂れ桜の向こうに、淀川と背割提、男山の絶景を堪能することができました。美術館内の雰囲気は神戸に近く、上品さを感じます。庭園は四季折々に美しく、実は庭園だけならば、自由に(無料で)散策することができます。

桜は早咲きが見事で、レストハウスの前に遅咲きの紅枝垂れ桜もあり、特に天気の良い日にはのんびりと自然に包まれた空間で時を過ごせることでしょう。初めての方は美術館も必見ですので、時間をたっぷり取って訪れてみて下さい。入館料は900円。京都検定の合格証があれば、平成25年12月23日まで100円引きとなりますよ。JRや阪急の駅前から、無料のシャトルバスも運行されています。

美術館の隣、実質的には上にある宝積寺も桜が見事なお寺です。創建は、平安京ができる前、奈良の大仏を建立した聖武天皇と伝わり、天皇が龍神より授かったという打出と小槌(打出の小槌)を寺に納めたところから、宝寺とも呼ばれています。特に桜が美しいのは、三重塔の前です。西日が差す午後には、ソメイヨシノと紅枝垂れ桜が塔を見事に飾ってくれるでしょう。宝積寺は、山崎の戦いのおりに秀吉が本陣を置いた場所で、光秀に打ち勝った記念に、一夜にしてこの塔を建てさせたと伝わります。

境内はソメイヨシノが美しく、収蔵庫の前には桜守・佐野藤右衛門氏の苗床より移植した、縁結びの桜があります。遅咲きの紅枝垂れ桜です。収蔵庫には、まさに閻魔庁を再現したかのように閻魔大王とその従者の像が並んでいます。鎌倉時代の迫力ある像で、閻魔様に相対して座ってみると、まさに死後の世界の裁きを疑似体験できるかのようです。きつい坂を上らねばたどり着けないお寺ですので、初めての方は是非拝観をしてみて下さい。

山崎聖天は、下からまともに登れば長い階段が続く真言宗のお寺で、正しくは観音寺といいます。聖天さんは商売繁盛、夫婦和合、厄除けなどのご利益で知られ、階段は地元の方の健康維持にも活用されているようです。宝寺や大山崎山荘美術館からは、天王山の竹林が美しい山道を通って行くことができます。境内は桜が知られますが、実際に桜が美しいのは、聖天さんの下の階段のふもと辺り。ソメイヨシノが綺麗に咲き、早咲きで大木の木も1本あります。

今回は省略しますが、他にも大山崎には、油座で権勢を誇った離宮八幡宮、天王山に登れば山崎の戦いの史跡、禁門の変の真木和泉ら志士の墓、山麓には古社の酒解(さかとけ)神社もあります。やや坂が多い場所であるのは確かですが、竹林も美しく、じっくりと一日かけて散策できる場所です。機会があれば、是非足を延ばしてみて下さい。

お知らせ

桜を巡る散策を「らくたび」さん主催で行います。詳細はこちらをご覧ください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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