伏見稲荷大社 稲荷祭の神幸祭

稲荷祭 神幸祭 御旅所に入る神輿
4月21日に伏見稲荷大社、稲荷祭の神幸祭が行われました。お神輿の巡行といえば、人が手で担ぐイメージがありますが、稲荷祭の神幸祭と還幸祭は、トラックの荷台に乗せられて神職や神輿が巡行していきます。

稲荷祭 トラックで運ばれる神輿現在、京都三大祭りといえば、祇園祭・葵祭・時代祭を差します。ただ、かつては祇園祭・葵祭・稲荷祭だった時代もあります。平安時代に起源を持つ稲荷祭は、室町時代には祇園祭と並ぶほどの大きな祭りとして、50もの山鉾を連ねるほど盛大だっと伝わります。しかし時を経て、第二次大戦後には規模を縮小、1962(昭和37)年からは、ついにトラックで神輿が巡行する形となり、現在に至っています。

稲荷祭 京都駅と神輿伏見稲荷大社の境内地は、かつては藤森神社の境内であったため、稲荷の氏子圏は、実は伏見稲荷大社の周辺にはなく、十条周辺から北、松原通にかけてにあります。稲荷祭のお神輿がトラックでの巡行になったのも、こうして神社と氏子圏が離れていることも理由の一つだという見解もあります。なお、藤森神社と伏見稲荷の境内地に関する話は、昨年の藤森祭の記事で詳しく書いていますので、よければご覧ください。

稲荷祭 トラックに乗る神職お神輿は稲荷の五神(宇迦之御魂大神(下社)、佐田彦大神(中社)、大宮能売大神(上社)、田中大神(下社摂社)、四之大神(中社摂社))を乗せるため、五基が出ています。かつての稲荷祭は「うま(午)うま行って、う(卯)かうか帰る」といわれ、4月第2の午(うま)の日に神幸祭が行われて御旅所に神輿が入り、神輿が帰る還幸祭は、5月の初卯(う)の日に行われていました。しかし時代は変わり、現在は4月20日に最も近い日曜日に神幸祭が行われ、5月3日に還幸祭が行われています(いずれもトラックでの巡行です)。

稲荷祭 トラックの列が連なるトラック巡行とはいえ、さすがに伏見稲荷大社。その台数は十数台にも上る「立派」な巡行です。神職もトラックに乗り、雅楽もトラックの上から奏されます。なかなか他では見ることのない、大規模なトラック巡行です。御旅所では、神職らはいったん鳥居前を通過して油小路通でトラックを下りて御旅所に入りますが、お神輿はトラックのまま御旅所へと入って行きます。トラックは、神輿が安置される奉安殿にそれぞれ着けられ、トラックからは人の手で移されていきました。やはり重いものですので、力を合わせて動かす必要があります。神幸祭の一部始終は動画もありますので、ご覧になってみて下さい。

活躍する日通の方余談ですが、お神輿を運ぶトラックは「日通」が担当しています。日本通運は文化財輸送の長年のノウハウがあり、私も学生時代の実習で日通の方から文化財の梱包の仕方を教わりました。御旅所でも、日通の方のテキパキとした動きが印象的でした。

稲荷祭 奉安殿に安置される神輿現在は、神幸祭の一週間後の日曜日に、氏子祭(巡行祭)が行われ、この時は氏子が神輿を担いで行きます。やっぱりお神輿は担がれているところを見たいというかたは、今年は28日に行かれるとよいでしょう。神輿は5月3日まで、油小路八条下る(正確には、東寺通油小路西入る)の御旅所に鎮座しています。この期間は、伏見稲荷大社ではなく、御旅所に出向いて祈願されてもよいでしょう。京都駅から歩いて東寺に行かれる際には、是非お立ち寄りください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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