青葉が満ちる小満の京都

新緑の蓮華寺
5月21日は二十四節気の一つ小満(しょうまん)です。

新緑の蓮華寺このブログでは、2011年から1年ほどかけて二十四節気について書いてきました。ただ、実はすべての節気を書いてはいなかったことに気がつきました(笑)というわけで、今回の小満と次回の芒種(ぼうしゅ)の記事は書き加えておきたいと思います。久しぶりに二十四節気について書くと思いますので、少しおさらいをしてみます。

比叡山と高野川そもそも二十四節気とは何か?江戸時代までの日本の暦は、夜の明るさや潮の満ち方に影響する、月の満ち欠けをベースに1ヶ月が決まっていました。新月の日が1日、満月の日が15日でおおむね1ヶ月は29日です。しかし、季節の移ろいは月ではなく太陽によってもたらされるため、月のみで暦を作っていると、どんどん暦と季節がずれていってしまいます。そこで、1年間の太陽の動きを24等分して開発されたのが二十四節気です。二十四節気は太陽の動きを元にしているので、実際の季節変化と対応していて、特に農業においては重視されました。

三明院二十四節気は太陽の動きを元に作られているため、日付と季節が一致する現代でも十分に使えるものです。ただ、立春や立夏といった季節の境を表す節気の意味が間違ってとらわれていることが多く「二十四節気は過去の遺物」という誤解があるのも事実です。たとえば立夏は「夏が感じられる頃」を表していて、「真夏」になることを表してはいません。実際に、今年も5月5日の立夏を過ぎて「夏」を感じ始めた方は多いことでしょう。立秋と立春にいたっては、気温の転換点にも当たっていて、その絶妙さには気象予報士としては驚かされるばかり。この辺りの話は、過去のブログで何度か書いてきましたので、興味のある方は読んでみて下さい

葵祭にてさて、今回の節気は「小満」です。「小さな満足」と解せば、なんとも微笑ましくなりますが、実はそれも間違ってはいません。小満の節気自体の意味は「万物が次第に成長して、一定の大きさに達して来るころ」です。日に日に生長する草木や穀物が天地に「満」ちると同時に、今の時期は小麦が実りを迎える頃でもあります。二毛作が一般的だった頃は第二の収穫期にあたり、実った麦を見てホッと一安心、つまり小さな満足を感じていたというわけです。

京都御苑 九条池麦畑は高度経済成長期に姿を消していきましたが、近年の作付面積は全国的にはほぼ横ばいです。また、昨年の今頃に実家に帰った際には、私が子どもの頃に比べて圧倒的に麦畑が増えていて、一面の黄金色の風景に驚かされました。麦は弥生時代から育てられていたほど日本人との付き合いが長い穀物ですし、この先も消えてしまうことはないでしょう。ただ、実は収穫期頃から梅雨を迎える日本にはむしろ不向きな作物なのだそうです。

嵯峨野例年5月には、梅雨のリハーサルとも呼ぶべき雨が続く時期があって、「はしり梅雨」とも「卯の花くたし」とも呼ばれていますが、今年はそんなこともなく、今週も晴れが続きます。初夏とも晩春ともいえる今の時期。暑いのは確かですが、ある意味貴重な晴れともいえますので、青葉と青空のまぶしい京都の5月を目いっぱいお楽しみ下さい。最後になりましたが、嵐電の「京都二十四節気」を今回も貼っておきます。よければ、ご覧になってみて下さい。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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