下鴨神社 神迎えの神事 御蔭祭

下鴨神社 御蔭祭
5月12日に、下鴨神社で神迎えの神事、御蔭祭(みかげまつり)が行われました。

下鴨神社 御蔭祭御蔭祭は、昨年頑張って行列に付いて周り、その多くの行程を見てきました。下鴨神社は毎年新しい神霊・荒御霊をお迎えして社殿の神の力と合わせることによって、神の力を常に保っています。詳しい祭りの流れは昨年のブログをご覧下さい。今年は、らくたびさんの散策の添乗で、糺の森での様子を眺めてきました。

下鴨神社 御蔭祭下鴨神社と上賀茂神社の2社を合わせて賀茂社とも呼びますが、賀茂社では様々な神事やならわしが陰陽思想に基づいて行われています。陰陽思想とは、昼と夜、男と女のように、性質の異なる2つが合わさることで完全になるという考え方。数字では奇数が陽の数、偶数が陰の数とされています。例えば、下鴨神社のご祭神は陰の数である2柱、上賀茂神社のご祭神は陽の数である1柱です。賀茂川から水を引いているのが上賀茂神社で、高野川から水を引いているのが下鴨神社。二つの川が合わさって1本の鴨川となるのはご存知の通りですね。

下鴨神社 御蔭祭神迎えの儀式にも陰陽思想が見られ、下鴨神社の神は高野川上流部にある御蔭山で生まれ、その儀式は太陽が最も高くに昇る昼の12時に行われます。一方、同じ日に行われている上賀茂神社の神迎えの神事・御阿礼(みあれ)神事は、夜の暗闇が覆い尽くす深夜に行われています。このように、賀茂社には陰陽思想が関係している物事が多くあるのです。

下鴨神社 御蔭祭さて、御蔭祭で、新たに迎えられた神の御霊(みたま)は、馬の背に乗って糺の森に入っていきます。そして糺の森の中ほどにある、参道が少し広くなっている場所「切芝」において、糺の森に宿る神々の精霊とともに東遊(あずまあそび)をご覧になります。これが切芝神事で、御蔭祭のハイライトでもあります。

下鴨神社 御蔭祭 和琴今年も遠巻きですが見ることができ、優雅な舞の風情を感じることができました。東遊とは、東国に由来を持つ歌や舞のことで、平安時代から賀茂祭で舞われるようになりました。枕草子にも清少納言が好きな舞として、東遊の駿河舞・求子(もとご)舞が登場します。まさにこの切芝神事で見られるのは、駿河舞と求子舞で、平安時代に清少納言が感じた「いとおかし」の世界を私たちも時代を超えて感じることが出来るのです。

下鴨神社 御蔭祭下鴨神社では平成27年の式年遷宮を控え、今年3月に仮本宮に御神体などを移す仮遷宮が行われました。葵祭が終わって、いよいよ本殿の桧皮の吹き替えなどに着手されます。歴史の節目を迎えつつある下鴨神社。この時期は糺の森の緑もたいへん気持ちがよいですので、散策もお勧めです。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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