空に現れた虹色の雲(環水平アーク)

環水平アークと二条城
先日、水平虹とも呼ばれている環水平アークを見ました。

環水平アーク環水平アークは、太陽の下に現れる虹のような輝きです。条件が整わないと出現しないため、実際に見たことがある方は少ないかもしれません。ただ、綺麗に出現した時は晴天の空に大きな虹が現れるようで大変に美しい現象でもあります。出る条件としては、薄雲があること、太陽の高度が高いことで、太陽がある特定の範囲の高さにあるときにのみ現れます。今の時期の京都だと、午前10時半と、午後13時20分のそれぞれ前後数十分が見られるタイミングです。このタイミングは、季節や緯度・経度によっても異なります。

環水平アーク環水平アークや環天頂アーク、日暈や幻日(げんじつ)などが見られるには、上空の薄雲を作っている氷が六角形をしている必要があります。ただ、同じ薄雲でも常に氷が六角形をしているとは限らないため、似たような薄雲の条件でも見られないこともしばしばあります。ですので、綺麗な状態で出現するのは珍しく、特に環水平アークは太陽の高度が高いことも条件ですので、夏至を挟んだ数ヶ月間しかチャンスがありません。

環水平アーク今年はずっと、環水平アークを京都らしい風景と一緒に写真に収めるチャンスをうかがっていて、先日なんとか二条城と一緒に撮ることができました。環水平アークはかなり出現規模が大きく、実際に目で見るとの写真を見るのとでは大きく印象が異なるでしょう。綺麗な状態で出現すれば、思っている以上に空の広い範囲が虹色に染まりますが、今回は薄雲の量が少なかったため、ごく一部しか虹色が見られませんでした(完全な様子を知りたい方は、Googleなどで検索してみて下さい)。

環水平アーク今回の様子は、世に言う「彩雲」とよく似ています。彩雲と報告されている雲の中には、実は環水平アークや環天頂アーク、あるいは幻日や日暈の一部であるというものが混ざっているように思います。専門的にきちんとそれらの違いと、出現する時間帯、見え方の傾向を理解していないと、虹色の雲は全て彩雲だと安易に考えてしまうことでしょう。逆にいえば、現代気象学がそれらの現象を区別する以前には、空に出る「虹色の雲」はすべて彩雲や紫雲とみなされていたはずです。

環水平アーク彩雲や紫雲は吉兆として、数々の社寺の創建伝説などにも登場してきますが、空をよく観察している人間には、環天頂アークや環水平アークは太陽の高さや薄雲という特定の条件の時に出現するとわかるはずで、「賢い」宗教者は「彩雲」が出るのを知っていて、それを利用したのではないかとも想像できます。以上は、私の仮説ですが、いつか機会があれば研究してみたいものですね。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です