平安神宮の花菖蒲

平安神宮 西神苑
先日(8日)、平安神宮の神苑に咲く花菖蒲を眺めてきました。

梅雨明けのような空京都は花菖蒲が見頃に入り、アジサイも各地で綺麗になっています。例年であればもっと雨が降ってしかるべきですが、台風も当初の予想とは違って関東沖で停滞したまま弱まり、西日本では来週にかけて夕立の可能性はあるものの、晴れ間の多い日が続く流れに変わってしまいました。深刻な少雨となる場所もあるはずで、自然というのはつくづく難しいものだと感じます。

平安神宮 東神苑南からの蒸し暑い空気にも覆われ、日差しが照ればもう「真夏」と環境は変わりません。13日は、京田辺で37.5℃まで気温が上がり、全国2位の高温となりました。京都でも、35.9℃まで上昇し、過去130年を超える観測史の中で、6月としては3番目に暑い日となりました。凄まじい高温だったことが伝わるでしょうか。まだまだ体が暑さに慣れていませんので、十分な熱中症対策、暑さ対策をして出かけるようにして下さい。熱波はもはや災害です。命を失うことのないよう、無理なく動いて下さい。

平安神宮 コウホネさて、平安神宮では7日に神苑の無料開放が行われました。例年6月上旬の花菖蒲の頃の1日と、萩の咲く頃の9月19日の2日間が無料になるのです。京都市民はそのことをよくご存じで、無料日の神苑は大混雑となります。今週は15日に智積院が青葉まつりで無料開放されますが、こちらにも大勢の人が詰め掛けます。確かに無料はありがたいのですが、普段の静けさや風情を感じるのは難しいので、善し悪しがありますね。

平安神宮 南神苑の萩というわけで、今年はあえて翌日の8日に有料で神苑に入ってきました。緑に包まれた神苑はよく見ると様々な花が咲いています。目を引いたのは萩の花。萩は一般的には初秋の花ですが、実は「初萩」とも呼ばれるその開花は、早い年には6月。一方で遅い年は9月も半ばを過ぎての開花となり、幅は驚きの3か月!萩は「気まぐれ」に開花する花の筆頭格です。一方で桜はアジサイは「律儀」なタイプで、毎年ほぼ同じ時期に見ごろを迎えます。花にも人間のように性格がありますね。

平安神宮 西神苑の花菖蒲南神苑から西神苑に入ると風景が一変して、花菖蒲が美しく池に咲き誇っています。5月に入ってアヤメが咲き、カキツバタが咲き、最後に花菖蒲が咲いてきます。花菖蒲は水を好み、花の付け根が黄色くなっているのが特徴です。花菖蒲は、英語では「Iris(アイリス)」と訳されますが、Irisにはアヤメもカキツバタも含まれます。わざわざ区別するのは日本的なのかもしれません。

平安神宮 西神苑の花菖蒲花菖蒲は様々な色が見られるのも特徴で、白や青、紫が一般的。平安神宮には200種2000株もの花菖蒲があるとされ、見事なグラデーションを楽しむことができます。平安神宮以外では、外来種の「黄菖蒲」の黄色の花も野生で見かけることもあります(黄菖蒲は要注意外来生物のため、綺麗とばかりはいっていられませんが)。

平安神宮 西神苑の花菖蒲平安神宮の西神苑の北東には「八ツ橋」もあって、花は違いますが尾形光琳の描いた「八ツ橋図屏風」のような雰囲気を感じられます。やはり人気の場所で、人がいない写真を撮るのは粘りも必要かもしれません。さて、神苑はまだまだ続いてきますが、続きは次回に書いていきます。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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