藤森神社 紫陽花まつり 舞楽奉納

藤森神社 紫陽花まつり 舞楽奉納
藤森神社紫陽花まつり。先日は蹴鞠の様子をご紹介しました。今回は舞楽です。

藤森神社 紫陽花まつり 舞楽奉納藤森神社の紫陽花まつりでは、数々の伝統芸能が奉納されますが雅楽の演奏や舞楽もその一つ。藤森神社には雅楽会があり、舞楽も行っています。雅楽会は80年以上の歴史を持ち、さらには嵐山紅葉祭や貴船神社の七夕祭りなどにも「出張」をされるそう。以前にご紹介した八坂神社の舞楽奉納も、顔ぶれ的に同じ方々による舞です。京都各地で伝統文化を伝えていく役割を、藤森神社が影で担って下さっています。

藤森神社 紫陽花まつり 舞楽奉納今年の紫陽花まつりでは暑いという事情もあってか、雅楽のみの演奏は短めで、すぐさま舞楽に入りました。それも演目の最初から最後まで行うのではなく、面白くなる部分をかいつまんで舞うという形でした。30℃を超える真夏日の中でしたので、これはこれでちょうどよかったです。今回は拝殿に設けられた席の最前列で見せて頂きました。

藤森神社 紫陽花まつり 還城楽今年の演目は蘭陵王(らんりょうおう)と還城楽(げんじょうらく)でした、いずれも各地でよく奉納される演目ですが、神社の解説によると、還城楽は蛇(の模型)が出てくるため、蛇年に舞われることが多いそうです。紫陽花まつりの舞楽奉納は拝殿の席の最前列にいると、文字通り目の前で見られます。これほどまでに間近で舞楽を見られるのは滅多にない機会ですので、蹴鞠が終わったらすかさず拝殿に回るのも裏技の一つでしょう。藤森神社の祭りは地元の方で賑わっているのも特徴で、拝殿の席も地元の方で埋まり、拝殿の周りも人が囲んでいました。

藤森神社 紫陽花まつり 胡蝶舞には子どもが舞うものがあり、今年は蝶をモチーフにした胡蝶(こちょう)でした。ちなみに昨年は迦陵頻(かりょうびん)で、年によって演目は変わるようです。子どもたちも観客を目の前にして舞うのは緊張があるのでしょうが、それを感じさせない落ち着いた舞を見せてくれました(各地で場数をふんでいるからでしょうか)。余談ですが、舞には右舞(うまい)と左舞(さまい)とがあります。左舞は大陸から伝わってきた中国・インドを発祥とする舞、右舞は朝鮮半島から伝わってきた舞で、両者は系統が異なります。楽器の構成などいくつかの違いはありますが、最もわかりやすいのはその装束の色です。

藤森神社 紫陽花まつり 舞楽奉納左舞では、原則として赤系統の装束を用い、右舞では緑系統の装束を用います。今回の舞では、胡蝶が「右舞」というのがすぐにわかるでしょう。ちなみに言葉の語源としては、右回りに入ってくる右舞から「上手い」という言葉ができ、左から入る左舞から「さまになる」という言葉ができたともいわれます。日常の中には雅楽由来の言葉も意外と多く、「やたら」や「打ち合わせ」、「二の舞」などもよく使われています。

藤森神社 紫陽花まつり 舞楽奉納藤森神社の祭事の見どころは、神職の方によるテンポも軽やかな解説です。個人的には毎回笑わせて頂いています。楽器や舞楽の説明なども分かりやすく充実していますので、初心者でも楽しみながら見ることができるのではないでしょうか。紫陽花の咲く時期に奉納される伝統芸能、機会がありましたら是非ご覧になってみて下さい。

藤森神社 紫陽花最後に、紫陽花まつりと言いながら、紫陽花の写真を一枚も載せていませんでした(笑)今週末も、山城舞楽の奉納などがありますので、紫陽花咲く藤森神社に足を延ばしてみて下さい。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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