夏至と暑さの関係

太陽と伝教大師像
6月21日は夏至。昼の時間が最も長くなる日です。

四条通にて織田信長が桶狭間で今川義元を破った、かの有名な「桶狭間の戦い」は、現在の暦(グレゴリオ暦)に換算するとまさに今日(6月22日)です。信長が雨を予測していたという説もありますが、今の時期の空を見ながら信長の思考をたどってみるのも面白いかもしれませんね。当日は急な豪雨が降ったそうですが、梅雨の気まぐれな空が雨を降らせたのだと思います。

最高気温の平年値の変化さて、今年も夏至を迎えました。昼間の時間が最も長くなり、一方で夏至を過ぎれば冬至へと向かって昼の時間は短くなり続けます。しかし気温はまだまだ上がり続け、そのピークは1ヵ月半ほど先にあります。今回は夏至の日になぜ最も暑くならないのかを書いていきます。

夏の鴨川まず、太陽から受けるエネルギーそのものについて考えてみましょう。太陽から受ける一定の面積当たりのエネルギーは、太陽の高さ(仰角)と関係があります。「昼の長さ」や「太陽までの距離」とはあまり関係がありません。「昼の長さ」が気温に影響するとなると「白夜」のある高緯度の気温がぐんぐん上がってしまいます。また「太陽までの距離」は、実は夏の頃が最も遠く、反対に冬の頃が最も近くなっています。太陽との距離は気温にはほとんど影響していません。

夏の京都タワー太陽の高さ(仰角)と、受けるエネルギーの変化は「影」の長さで感じることができます。朝や夕方は影が長くなり、真昼には短くなることに気が付く方も多いと思います。影が短いということは、一定の面積当たりに受けるエネルギーの密度が濃いことになります。夏至の頃がもっとも太陽の高度は高いので、太陽エネルギーも最も強い時期となります。そして、一年の中で影が最も短くなる時期でもあるのです。

夏の夜の鴨川さて、夏至ころは確かに太陽からのエネルギーが最も強く降り注いでいるはずなのに、なぜ一年で一番気温が上がる時期ではないのか。気温の変化も太陽からの熱によって引き起こされるものですが、実は太陽の光はを空気を直接暖めることがほとんどできません。そのため、空気を素通りした太陽エネルギーは地表や海を暖め、そこから間接的に空気が暖まります。地面と海と空気とはそれぞれの暖まりやすさ(比熱)に違いがあり、しかも空気は間接的に温かくなるので、太陽からのエネルギーが空気に伝わるには時間差が生じるのです。これが夏至の時期が最も暑くならない理由です。

広沢池の夜明けちなみに、高い山に登ると太陽に近くなるにも関わらず気温が下がって寒くなりますが、これは地面との距離が関係しています。すなわち、山は尖っているだけで、広く見ると空気を暖める地面からは離れていくからです(気圧が低いことも影響しています)。また、太陽に近いとは言ってもそれは1億5千万kmもある地球と太陽との平均距離のうち、たった数kmだけの話し。お金に換算すれば、エベレストでさえも1億5千万円と1億5千万9円の違いでしかなく、エベレストも富士山も海の上も、太陽までの距離はほとんど変わらないことが実感できます。

藤森神社話を戻します。晴れた日に気温が最も高くなるのは午後2時頃ですが、それも先程と同じ理由で、最も太陽が高い正午頃から遅れて気温はピークを迎えます。季節の変化も一日の変化も、スケールは違えど基本的には同じ理由で変化しているのです。また「昼間に暖められる分 -(引く) 夜に冷える分」がプラスならば気温が上がり続けると考えると、夏至を過ぎてもまだまだ日差しは強くて昼に暖められる分の方が多いため、熱がたまっていきます。

大原野神社 鯉沢池の睡蓮太陽の力は冬に向かって徐々に落ちて行くものの、それが気象に影響を及ぼすのはまだ先のこと。京都では夏至を過ぎてから気温が下がり始めるまで、1ヵ月半ほどかかってしまいます。暑い夏の本番はまだまだこれからですが、紫外線の強さはこの時期が最も強いので、晴れた日の対策はしっかりと行ってお出かけください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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