両足院 半夏生の庭

両足院 半夏生の庭
建仁寺の両足院では、10日まで半夏生(ハンゲショウ)の庭が特別公開されています。

京都 7月6日昨日のブログで示唆しましたが、今日(6日)の段階では関東のみで梅雨明けが発表されました。梅雨入り・梅雨明けは純粋に気象学的なものではなく「心理戦」のようなもの。実況や今度の不確実な見通しを元に、頭を悩ませながら人間(気象台)が無理やり季節に境目をつけるものです。今回は東から太平洋高気圧が勢力を強め、特に関東では「猛暑」が予想されたため、雨よりも猛暑に警戒を呼び掛ける意味で梅雨明けを発表したとも考えられます。梅雨の間は「特に」大雨に、梅雨が明ければ「特に」猛暑に警戒が必要ということです。

両足院京都は6日は風が強く、午前中は晴れましたが午後には雲が広がって夕立もありました。最高気温は33℃まで上がり、梅雨明けしてもおかしくはない環境になりつつはあります。ただ、近畿の梅雨明けは、目先の「猛暑」をどう見るかによるかもしれません。実は太平洋高気圧は10日程の周期で盛衰を繰り返す性質があります。時期はまだ7月上旬で、来週末に高気圧が弱まるタイミングで再び梅雨空が戻って来る可能性も否めません。梅雨明けは純気象学的なものではなく、総合的に人間が決めるもの。大雨への警戒を続けるべきか、猛暑への警戒を呼び掛けるべきか、気象台の意図がこの数日の動きに見てとれるかもしれません。

両足院 半夏生の庭さて、建仁寺の塔頭・両足院(りょうそくいん)では、恒例の半夏生の庭の公開が10日まで行われています。6月30日に今年も訪れてきました。毎年のように訪れていますが、年々人が増えて落ち着かなくなってきました。京都は特定の場所に人が偏る傾向が強いですので、善し悪しがありますね。個人的には、茶室・臨池亭に上がり、両足院の月星紋の入った特製のお菓子でお茶を頂きながら、じっくりとお庭を眺めるのがお勧めです。ただ、この日も茶席は多くの人が訪れていましたので、昔ほどゆっくりはしづらいかもしれません。

両足院 半夏生半夏生は、この時期に葉の表側を白く染める不思議な植物。半夏生は半化粧と書くこともでき、緑の葉を一部だけ残して白く変化する様子から「半分だけ化粧をした」、つまりハンゲショウ(半化粧)と呼ばれるようになったとする説があります。また夏至の日から数えて11日目からの5日間は「半夏生」という期間(七十二候)ですが、田植に適した時期としてかつての日本では大切にされていたことがありました(あるいはこの日までに田植えを終えるとも)。

両足院 半夏生の庭その半夏生の時期を知らせるかのように花が咲くため、植物の名前になったともいわれています。現在は梅雨の時期に目を楽しませてくれる植物として知られています。京都では勧修寺や大覚寺など水辺で美しい姿を見せてくれます。両足院では、緑の鮮やかなお庭に純白の半夏生が広がる様子が見事です。

両足院 水月亭また両足院は解説も充実しています。開山の龍山徳見(りゅうざんとっけん)や、林浄因(りんじょういん)が伝えた饅頭の話などを聞かせてくれます。また、展示は公開のたびに少しづつ変わります。長谷川等伯の竹林七賢図が出ている時もありますが、今回は別な絵が出ています。また、竹田黙雷(もくらい)というかつての建仁寺の管長は両足院に住していましたが、今年の大河ドラマの主人公・新島八重は晩年に交流を持ち、キリスト教から仏教に改宗かとして当時話題になりました。そうした由緒から新島八重の軸なども今回は展示されていました。美しい両足院のお庭。この時期に是非ご覧になってみて下さい。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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