三千院 万灯会

三千院 万灯会
8月14日・15日は、大原の三千院万灯会が行われました。

三千院 万灯会京都の8月はお盆を中心に、各地で万灯会が催されています。三千院の万灯会もその一つ。世界平和・諸願成就を願い、往生極楽院や金色不動堂の前などに蝋燭が灯されて幻想的な光景が広がります。三千院自身は明治になって現在地に移ってきましたが、往生極楽院はおよそ860年前(1148年)からこの地に立っています。往生極楽院は、一人の女性(真如房尼)が極楽浄土への祈りをささげるために建立したとされ、以後脈々と祈りの灯し火が献じられてきました。

三千院 万灯会三千院の万灯会は、天台宗の開宗1200年を記念した2004年に始まりました。「千年の祈り」とも題されて、この先何千年と祈りの灯し火を引き継いで行きたいという願いが込められています。参拝は無料。万灯会の時間帯は建物の拝観は出来ませんが、往生極楽院前などお庭へは自由に入ることができます。献灯料は1000円。ただ、必ずしも献灯せずとも大丈夫です。なかなか大原まで足を運ぶのは大変ですが、思っていた以上に多くの方が来られていました。というのも、京都定期観光バスのツアーが出ていて、かなり盛況のよう。八瀬の施設からも団体が来られていました。

三千院 万灯会境内はたくさんの蝋燭の明かりで大変幻想的な雰囲気に包まれています。往生極楽院の周りは苔が美しい場所で、柔らかい光でほのかに照らされる様子は、まさに祈りの空間にふさわしいと感じました。金色の阿弥陀如来や観音菩薩、勢至菩薩は、平安時代から同じように人々の祈りを受け止めてこられたのでしょう。なお、往生極楽院の内部は写真撮影ができませんのでご注意ください。

三千院 万灯会奥に進んで金色不動堂の前が、数多くの蝋燭が灯されている場所です。多くの方がこの場所で蝋燭を献じられています。真ん中の蝋燭には「世界平和」と書かれ、ちょうど8月14日・15日と終戦の日に合わせて行われている意味がわかるような気がしました。京都ではたくさんの灯籠が並ぶ光景というのは各地でみられますが、蝋燭の明かりがこれほど並ぶ光景は珍しく、非日常の祈りの空間が作りだされています。

三千院 万灯会大原は空気も市街地よりは涼しく、空を見れば星も綺麗に輝いていました。なかなか夜の大原に訪れることはないかもしれませんが、夏の夜に様々な祈りをささげてみるのもよいかと思います。なお、写真撮影では三脚の使用が禁止されています。今回の写真は三脚を使わず、何とかカメラを固定するなどして撮影をしています。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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