9月1日に、松尾大社の八朔祭が行われ、嵐山の大堰川では女神輿の船渡御が雨の中行われました。
松尾大社の八朔祭では、女神輿が登場します。女神輿が出るお祭りは京都では比較的珍しく、松尾大社の八朔祭の他には、藤森神社の藤森祭、滝尾神社などがあり、高瀬川桜まつりでも滝尾神社から借りた女神輿が巡行しています。松尾大社の女神輿は「やまぶき会」の皆さまによって担がれています。
やまぶき会は平成9(1998)年の結成から今年で16年を迎えますが、松尾大社の長い歴史の中では、女神輿は比較的新しいものです。そもそも女性は神が乗る神輿の長柄にすら触らしてももらえないことが多い中で、こうして女神輿を始められたことには大きな苦労が伴ったことでしょう。今では毎年恒例の行事、八朔祭の目玉の一つとして認知されています。現在もメンバーを募集中で、女性でお祭り好きであれば年齢・国籍不問とのことです。
女神輿の見せ場の一つには嵐山の大堰川での船渡御があります。4月の松尾祭の神幸祭でも桂川を渡る船渡御があり、松尾大社の神輿といえば船渡御というのがお決まりのイメージです。一昨年は台風接近に伴う川の増水で船渡御は中止となりました。昨年は、仕事で見に行くことができず、今年はようやく見ることができました。昨年は、女神輿の出発の場面を、一昨年は雨の中での戻りの場面を眺めてきました。
今年はちょうど船渡御が行われる時間帯には雨脚が強まることを予想していたため、私の到着は、まさに大堰川で船渡御が行われている最中になりました。既に威勢のよいかけ声で、神輿が乗った船と、女性たちが乗った船が5槽出ていました。雷の音がゴロゴロと響き、雨脚も強まってきましたが、女性たちのかけ声はそれに負けじと元気いっぱいです。
船が上流へと進んだ後、しばらくして船から花火(といっても、煙が出る程度です)が打ち上げられました。例年は対岸の岸にいる迎え太鼓に送る合図のようですが、今年は雨の影響もあってか太鼓の姿はありませんでした。花火が上がった後、より一層、大きな声で盛り上がりながら、船は下流へと進み、無事に岸へ接岸しました。
神輿は船から再び陸に上げられ、少しの間威勢よく担がれていました。女神輿には、指示を出す男性の方もついていましたが、恐らく松尾祭で神輿を担がれている方なのでしょう。神輿を台車に乗せる前には、差し上げも行われました。危険がないように神輿を差し上げる女性の背中を周りの女性が支える連係プレーです。雨が降って滑りやすい中ではいつも以上の大変さもあったと思いますが、皆さん髪をぬらしながら、熱い神輿振りを見せてくれました。
その後、神輿は嵐山のメインストリートを北へと進み、野宮神社を目指します。竹林を神輿が抜けて行きました。野宮神社では神事があり、神輿の担ぎ手たちが境内に集合します。観光客も突然の神輿の来訪に驚きつつも、カメラを向けてシャッターを切るなどしていました。この後、しばらく休憩をはさんで一行は松尾大社へと戻っていきました。往復約4kmの行程、皆さんお疲れさまでした。
散策のお知らせ
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新島襄と八重が暮らした御所東、二人の半生を辿る - 9月14日(土)【受付中!】 ※Trippy AnGyaさんにて受付
京に咲いた梅の花、新島八重の物語を歩く - 9月14日(土)【受付中!】 ※Trippy AnGyaさんにて受付
心美しく強き女神様の物語と縁結び祈願、浴衣で川床ディナーを愉しむ - 9月22日(日)【満員御礼!】 ※まいまい京都さん主催
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秋の訪れを告げる、梨木神社の萩まつりへ - 9月27日(金)【受付中!】
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。