14日の京都は、気温が33℃超える真夏の蒸し暑さでしたが、恐らく今年はこうした日はもうやってこないでしょう。その意味では「真夏最後の日」だと、個人的には思っています。清水寺は、ご存じ厳しい坂の上にあり、境内も階段や坂道が続くお寺です。京都初心者にはもちろんおススメなお寺ではありますが、その険しさは京都でもハイレベルな方に入ります。おみやげ物屋さんや、人の流れがあってこそ耐えられているのでしょう。
この日は、年に7日だけ行われる青龍会がありました。青龍会については1年前のブログで詳しく書いていますので、今回は詳細は割愛します。充実した動画も撮っていましたので、よければご覧になってみて下さい。昨年のブログでも「真夏最後の日」を書いていましたね(笑)青龍会だけを目当てに来ている方はやはり少なく、多くの観光客は偶然現れた龍の姿に驚きつつも、喜ばれていました。
奥ノ院からは、楓に囲まれた清水寺の本堂の風景を眺めることができます。京都を代表する風景で、個人的には、京都はおろか日本を代表する風景ではないかとさえ思っています。ガイドをしていると細かいウンチクは当然に頭に入れていますが、私個人の感性で行けば、そうした堅苦しい話はどうでもよくて、この風景さえ眺められれば十分だと感じてしまいます(もちろん、お客様にはきちんとウンチクをお話していますが)。何度訪れようとも、その度に美しいと思わせてくれる風景。厳しい坂道を上ってきた疲れも忘れさせてくれます。
この日は、泰産寺の「子安の塔」も秋らしい空によく映えていました。修理も終わり、鮮やかな朱色の色彩が甦っています。修理に伴って、これまでは江戸時代の1630年頃の建築だと考えられていたものが、西暦1500年に建てられていたことが判明しました。まだまだ、京都のにはこうした新発見が眠っています。ガイドも知識をアップデートして行かねばなりませんね。
子安の塔から音羽の滝へと下っていると、彼岸花を見かけました。個人的にはこの秋初めて見た彼岸花で、季節の進みを教えてくれる存在でもありました。子どものころに、彼岸花を持って帰ると家が火事になるという話を聞き、花が怖かった時期もありました。実際には花に毒があるので、子どもにさわらせないようにするための迷信ともいわれています。
清水寺の本堂は、今年の6月から本堂を支える柱の修復作業に入っています。音羽の滝の辺りからは、鉄骨も見えています。修理は1633年の建造以来初めてだそう。根元が湿気で腐ったり、虫食いの被害に遭ったりしている9本の柱では、傷んだ根元部分を切り取り、新しい木材を継ぎ足す「根継ぎ」という伝統的な工法によって修理が行われています。修理は今月いっぱいの予定。清水寺は台風による土砂災害もありましたが、この秋もきっと多くの方で賑わってくれると思います。気候も過ごしやすくなってくるこれからの京都。各地で美しい風景が迎えてくれるでしょう。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。