9月19日の中秋の名月の日に、京都府立植物園で名月観賞の夕べが行われました。
今年の中秋の名月は、八坂神社と円山公園で月を眺めてから、京都府立植物園へと移動しました。到着するころには、月は高く昇っていましたが、その分どの場所からでも美しく見えていたと思います。京都府立植物園では、名月観賞の夕べと題して、夜の植物園が無料開放され、大芝生地では「ひだまりの詩」でおなじみの藤田恵美さんによる、アコースティックライブも行われました。
芝生の広場はかなりの広さがありますが、大勢の家族連れで後ろの方まで埋め尽くされ、子どもたちも元気に走り回っていました。満月が空に輝く幻想的な雰囲気の中に、藤田さんの優しい歌声が響いていました。私もしばし座って月を眺めてきましたが、「ひだまりの詩」を生で聴くことができたのは、嬉しかったですね。
園内では、天体望遠鏡による月の観測会も行われていて、子どもたちをはじめ多くの人で賑わっていました。月は望遠鏡で覗けばクレーターもはっきり見えて、意外に感動します。私が小学生の頃、父が天体望遠鏡を買ってきてくれてことがあり、初めて覗いたのは月でした。それまで本でしか見たことがなかった月の姿に感動しましたが、せっかく視界の真ん中に月を収めても、月がどんどん動いってしまうので手を焼いたことを思い出しました。
温室の前の池には、白くて清楚な蓮の花が一輪咲いていました。花は、オオオニバスとパラグアイオニバスとの雑種だそうで、池には赤ちゃんが乗れそうなほどの大きな葉が浮かんでいました。そして池には揺らめく満月が映りんで、見事な共演を果たしています。なかなか見ることのできない光景に、感動させてもらいました。
中秋の名月の京都では各地で観月の催しが行われていましたが、他の場所と違って植物園は家族連れが非常に多く、場所も広いので子どもさんがいても気軽に訪れることができる場所です。観光客向けというよりは、地元の方のためのイベントですね。
この日は最後に京都御苑にも訪れてみました。「秋」の文字を持つ御所の宜秋門(ぎしゅうもん)の上にも美しい名月が輝きます。今年も各地で見事な月を眺めることができたことに感謝の気持ちを持ちながら、家路につきました。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。