今熊野観音寺 お砂踏み法要(大覚寺 心経宝塔のお砂踏み)

今熊野観音寺 お砂踏み法要
先日、今熊野観音寺ではお砂踏み法要が行われました。また、大覚寺では京の夏の旅の特別公開で心経宝塔が公開され、内部ではお砂踏みを行うことができました。

今熊野観音寺今熊野観音寺は、泉涌寺の山内にあるお寺で、西国三十三ヶ所観音霊場巡りの15番札所や、頭痛平癒のご利益でも知られるお寺です。その創建は、弘法大師・空海が自ら刻んだ観音像を安置したことに始まり、境内入り口でには「子護(こまもり)大師像」と呼ばれる、大きな弘法大師の像が迎えてくれます。空海の出身地でもあり、修行をした地が四国で、四国八十八ヶ所霊場巡りは全国的にも有名です。この大師像の周りには、四国八十八ヶ所のお砂があるようで、像を回ることでご利益を授かれるともされています。

今熊野観音寺 子護大師像そして、今熊野観音寺では毎年9月21日~23日にはお砂踏み法要が行われて、境内で四国八十八ヶ所の各寺のお砂を踏んで、参拝を行うことができます。今年は「らくたび」さんの散策の添乗で行かせて頂きました。なお、お砂踏み法要は、観光行事というよりは本格的な信仰の行事ですので、ある程度そういった気持ちを持って行かれる方がよいでしょう。

今熊野観音寺 お砂踏み法要参拝者はまず受付でお札を頂いた後、清めの儀式を受け、お経を読み、各四国霊場の朱印が押された笈摺(おいづる)という白衣を来て、参拝所へと入ります。具体的な参拝法としては、各お寺の本尊が描かれた掛け軸を拝みながら、敷かれた砂を踏み、お賽銭とお札を1か所づつに入れ、巡拝して行くというものです。お砂は過去10年ほど毎年入っているのが印象的でした。

今熊野観音寺 お砂踏み法要こうして巡拝をすることで、四国八十八ヶ所霊場を回ったのと同じご利益を授かれるとされ、高齢や病気、多忙などで四国八十八ヶ所を回ることができない方を中心に、多くの方が訪れています。今熊野観音寺のお砂踏みで納められたお札やお賽銭は、観音寺のお坊さんが四国の各寺に代参し納めて下さいます。ありがたいことですね。なお、お賽銭は参拝所の入り口で小銭に両替をして下さいますので、心配はいりません。参拝冥加料は1300円。そこに別途お賽銭がかかります。時間は、混雑具合にもよりますが、1時間は見ておくとよいでしょう。

大覚寺 心経宝塔また、9月30日まで、大覚寺の心経宝塔が”京の夏の旅”で特別公開され、塔の基壇内部ではお砂踏みが行われました。事前の儀式や笈摺(おいづる)はありませんが、掛け軸を拝み、お砂を踏むのは同様でした。心経宝塔には、どのような願いも叶えるという如意宝珠を納めた「真珠の小塔」もありました。文字通り、アコヤガイから採れる真珠を惜しげもなく使った豪華絢爛な小塔です。これにはいろいろな意味で驚かされました。塔自体は、昭和42年に嵯峨野天皇が写経を納めてから1150年を迎えることを記念して建てられました。今や大覚寺を象徴する朱色の美しい塔です。

東寺の弘法市 食堂でのお砂踏みお砂踏みは、東寺で毎月21日に行われている弘法市の時にも、食堂の周りで行うことができます。弘法大師を信仰する者にとっては、四国八十八ヶ所霊場巡りは憧れではありますが、その道は険しく、こうした「お砂踏み」があるのはありがたいことですね。もう少しだけ本格的にという方は、仁和寺の西にある御室八十八ヶ所霊場巡りも京都にはあります。片道約2時間で、山中に連なるお堂を参拝しながら巡ることができます。そちらもまた、ブログにも書いてみようと思います。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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