北野天満宮のずいき祭り 神幸祭とずいき神輿

北野天満宮 ずいき祭り 神幸祭
10月1日から、北野天満宮のずいき祭りが始まりました。北野天満宮からは神輿が出発して御旅所へと向かい、御旅所には穀物で作られたずいき神輿が登場しています。

北野天満宮 ずいき祭り 神幸祭北野天満宮のずいき祭りは、毎年記事を書いてきました。神幸祭も2011年に見ていましたが、ブログには書いていませんでしたので、今回少し書いてみようと思います。余談ですが、私も暇さえあればあちこちに出かけていまして、このブログには書ききれない「京都」を見てきています。百聞は一見にしかず、実際にこの目で見てきた経験が、ガイドとしての差別化につながると信じています。

北野天満宮 ずいき祭り 神幸祭さて、ずいき祭りの「ずいき」とは芋の茎のことで、ずいきで屋根が飾られた「ずいき(瑞饋)神輿」が登場することからそう呼ばれています。平安時代にこの付近一帯の西ノ京の人々が五穀豊穣を感謝し、新しく取れた穀物や野菜などを飾り付け、道真公の神前にささげたのがお祭りの始まり。400年前の江戸時代初め、1607年にずいき神輿の形になり、1802年には現在と同じ形の神輿になりました。明治維新の改革により祭りは中止となってしまいますが、地元の有志の力で15年後に復活を果たして現在に至っています。

北野天満宮 ずいき祭り 神幸祭神幸祭は、13時に北野天満宮の一の鳥居を出発して、円町駅近くの西ノ京にある御旅所へと向かって行きます。なかなか立派な行列で、3基の鳳輦(ほうれん)や八乙女、稚児裃など、可愛い子どもたちも行列に参加しています。ただ、4日午後に行われる還幸祭の時には牛車がありますが、神幸列にはありません。また、ずいき神輿も神幸祭では巡行せず、御旅所に登場しています。ずいき祭りは、大宰府で道真が刻んだ像を北野天満宮に移したことに由来していますので、御旅所から天満宮に戻る還幸祭は、すなわち道真の霊が大宰府から北野の地へと訪れる場面を再現する列とされ、重要視されています。

北野天満宮 ずいき祭り 神幸祭ずいき祭りは、神幸祭もアマチュアカメラマンが多いような印象を受けます。4日の還幸祭の列は、花街の上七軒を通るため、罵声が怒号が飛ぶ、観光客にはお見せできない光景となるのですが、神幸祭でも八乙女など、恰好の被写体との間に入ってしまったカメラマンへの怒声が聞こえました。独りよがりなカメラマンも、怒号を浴びせるカメラマンも、見ていてあまり気持ちのよいものではありませんね。還幸祭の様子は、2011年のブログに詳しく書いていますが、上七軒で見ようという方は、京都らしい優雅な雰囲気は期待しない方がよいかもしれません。十分に注意をして下さい。

北野天満宮 ずいき祭り 神幸祭話を戻しましょう。神幸列は、西大路通を通って、西ノ京の氏子圏を大周りしながら、御旅所近くの京都信用金庫で休憩をしてから御旅所に入っていきます。子どもにとってはなかなかの距離ではありますが、この日も30℃を超える暑さの中で、一生懸命に頑張ってくれたのではと思います。鳳輦は4日午前中まで御旅所に鎮座をしています。そして御旅所には「ずいき神輿」が登場しています。

ずいき神輿 御旅所ずいき神輿は二つあり、小さめの子ども神輿と大人の神輿とがあります。神輿の四方の飾り付けは毎年異なった物語が描かれており、楽しみにされている方も多いですね。飾り付けは「土に還るもの」で行われるため毎年作り直す必要があります。また数日間持たせるため、野菜なども前日に収穫をするものがあり、そこから夜なべをして作り上げておられるそう。

ずいき神輿 くまモンとふなっしー近年は農家も農地も少なくなりましたが、今も住民たちが自分たちで野菜を育てて神輿を作っていて、毎年気候が違うなか、決まった日付に収穫期を合わせるのは大変なご苦労があるようです。まさに住民が一体となって受け継いで来られた伝統ですね。

ずいき神輿 トトロ今年の題材には、ふなっしーやダイオウイカがいたり、富士山の世界遺産登録を意識されてか富嶽三十六景もありました。もちろん定番の昔話シリーズもあり、金太郎やさるかに合戦などが、見事なアイデアで形作られていました。個人的には、このずいき神輿を見ることで「いよいよ10月が来たなぁ」と感じます。恐らく、同じような思いを持っておられるかたはいるでしょう。ずいき神輿は、4日午前中まで御旅所に鎮座していますので、間にあう方はご覧になってみて下さい。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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