気象情報で命は守れなかったのか

鴨川 10月16日
台風26号により、伊豆大島では824mmもの信じがたい雨量を観測し、集落丸ごとが土砂に埋まってしまうような大被害が発生してしまいました。非常にショックを受けています。

鴨川 台風18号災害の爪跡台風26号、昨晩も明け方まで眠れず、伊豆大島の大変な雨量を見ながら、自らの無力さを感じていました。今夜は、仕事の都合でゆっくりとブログを書くことはできませんが、手短かでも今の思いを記しておきます。なお、21日に、水害や台風、地震など京都の過去の災害史をお話する散策をチャリティーで実施します。売上金は、先月京都に大きな被害をもたらした台風18号災害の義援金として、全額寄付させて頂きます。多くの方に参加して頂ければとは思いますが、今の私の力ではそれも難しいようです。賛同して下さる方がいましたら、友人・知人にお声かけ頂ければ幸いです。

岡崎神社にて伊豆大島では、平年の10月1か月の雨量の倍を超える雨が僅か一日で降ってしまいました。特に、日付けが変わるころからは猛烈な雨が降り続きました。気象庁の事前の予想では、午前6時までの24時間雨量の最大は400mmで、他の地点の観測値を見ると、その予想は的中しています。伊豆大島の824mmは突出した異常値で、悔しいですが事前の予想は困難だったでしょう。しかし時中になって、恐らく日付が変わる頃には「これは危ない」と気象庁でも察知していたと思います。

粟田神社からの夕暮れ一方で、今回は「特別警報」が発表されませんでした。その理由は「地域的な広がりがない」からだといいます。確かにそうですが、その論理では伊豆大島のような島嶼部では、永遠に特別警報は発表されません。どこに住んでいても、同じ国の人間です。なぜそうした差が出るのか?心情としては正直いって納得がいきません。特別警報以外の情報(記録的短時間大雨情報や土砂災害警戒情報)は出していたという指摘もありますが、それでも不十分だからこそ、特別警報ができたのではないでしょうか。

伏見稲荷にて気象会社にいた時代に、その会社の代表電話をとっていたことがあるのですが、あるとき受けたのは伊豆諸島の島からの電話です。「お前のところの会社は、こっちは50m/sの暴風で大変なのに、全然情報を流さないじゃないか!」というお叱りの内容。ちょうど南海上には勢力の強い台風がありました。本土から離れていると意識が薄れがちですが、嵐の下にいる人もいます。やはり防災気象情報に格差があってはいけないはずです。

龍谷大学京都の時も思いましたが、特別警報の意味や目的を再検討する必要があるでしょう。京都市では、特別警報が出ると携帯のエリアメールで通知が届きましたが、実は届くかどうかは自分の自治体が携帯電話会社と契約しているかどうかによるそうです。これも防災情報格差です。財政的に厳しい自治体の住民でも、遍く通知を受け取れるようにできないものでしょうか。

西院春日神社今回の伊豆大島のような場合は、気象庁の危機感が、住民一人一人にまで本当に伝わったのか?私たち、在野の予報士はそこにどう絡んで行けばよいのか?気象予測的に少しでも人的被害を少なくすることは出来なかったのか。人が亡くなれば、それは天気予報の責任。命を守れないのは、我々の責任でもあります。私一人では小さすぎて何も出来ませんが、それでも世の関係者に問いかけてみたくなります。気象情報で命は守れなかったのだろうかと?

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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