岡崎神社 氏子大祭 式包丁奉納

岡崎神社 式包丁の奉納
10月16日に行われた岡崎神社の氏子大祭で、庖勝一條流の式包丁が奉納されました。

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式包丁「松の鯉」 松の漢字になっているさて、岡崎神社は、狛犬ならぬ狛兎で知られる神社です。東天王社とも呼ばれ、ご祭神は八坂神社と同じくスサノオノミコト。平安京の造営に伴って都の東を守るために創建されました。兎が神の使いとされているのは、都の東、すなわち「卯」の方向に神社があるためとも、辺りに野兎が多くいたからともいわれています。その氏子大祭は、あくまで地元の氏子たちのお祭りですが、庖勝一條流(ほうしょういちじょうりゅう)の式包丁が披露され、一般の方でも見ることできます。

式包丁「豆腐切り」今年は台風の影響もあって、例年は行われる神輿の巡行や神楽舞、湯立行事は行われませんでした。式包丁も予定より遅れて奉納されたため、始まる予定時刻に見ていたのは、私を含めてほんの数人でした。ただ、こちらの式包丁は非常に充実した技を長時間にわたって披露して下さるため、終わるころにはたくさんの人が集まっていました。

式包丁 庖勝一條流式包丁は、食材に一切手を触れることなく捌いて行くもので、見事な包丁や箸さばきのみならず、美しい所作や、何よりそのアッと驚く盛り付けが見せ場となっています。四季や奉納場所に応じて様々な題材がありますので、私も見るたびにワクワクしています。京都の式包丁の奉納は、「生間流(いかまりゅう)」の方が多いように思いますが、こちらは「庖勝一條流」の皆様によって行われています。式庖丁の流派の一つである庖勝一條流は、「京とみ」店主の富田庖勝が家元を務める流派。家本自らや、三木半旅館の料理長の方などによって見事な技が披露されました。

式包丁「紋章の蛸」他所の式包丁では、鯉や鯛などの魚を使った奉納が一般的です。岡崎神社の式包丁でも鯉や鯛の題材も多いですが、珍しいのは蛸と豆腐でしょう。蛸はその赤い姿が特徴的です。今回披露されたのは「紋章の蛸」。北野天満宮の梅花祭で奉納されたもので、蛸で梅鉢の紋章を形作ります。正に赤い蛸ならではの題材ですね。足で流水を表現するのも面白いです。このように、式包丁は盛り付け方にまで意味がありますので、最後まで目が離せません。こちらの式包丁は動画もありますので、ご覧になってみて下さい。

式包丁「豆腐切り」豆腐切りは、殺生が禁止されている社寺で奉納されるものだそう。柔らかい豆腐を切ることは難しくはなさそうですが、この式包丁では「一條流」の文字を豆腐で形作りました。いやはや、お見事。切った豆腐をパズルのように組み合わせて、過不足なく綺麗な文字を作っていく様子はマジックのようです。豆腐を乗せる台を持っている方とも息があっていました。こちらも動画がありますよ。

式包丁「天上熨斗鮑」もう一つご紹介したいのは、天上熨斗鮑(てんじょうのしあわび)という式包丁。豪華な熨斗(のし)の上にアワビを乗せて盛りつけるところからきている名前のようで、神前で行われる儀式とのことでした。貝のままのアワビから、順次丁寧にさばかれていきました。

式包丁「波越の鯛」最後は、家本による「波越の鯉」が奉納されました。鯛が荒波を越えて一人前になるというめでたい様を表す儀式で、鯛の身で荒波のような波頭を表しているようでした。やはり家元の所作は落ち着いていて、貫禄があります。さて、今回ご紹介したものの他にも、いくつかの式包丁が奉納されて、どれも大変見ごたえがありました。ここまでまとまって式包丁を見たのは初めてでしたが、お勧めしたい行事です。庖勝一條流の式包丁は、三木半旅館で折りに触れて公開されることもあるようですので、機会がありましたら是非その見事な技をご覧になってみて下さい。



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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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