晩秋の真如堂

真如堂 12月2日
真如堂の紅葉が晩秋の装いを迎えています。

真如堂 本堂裏 12月2日真如堂は紅葉が美しいお寺として名高く、境内には多くの楓の木があります。楓は日当たりのよいところから色づき始めるため、同じ境内でも紅葉の進みには時間差ができ、2日の段階では、入口の赤門前の楓や、鐘楼の周り、本堂の裏が美しくなっていました。真如堂は比較的長く紅葉を楽しめるお寺でもあります。また、お寺や本尊の歴史のみならず、境内のお堂それぞれに興味深い物語が隠されていますので、じっくりと回ってみるのも歴史好きには楽しいことでしょう。今回は省略しますが、また機会があれば詳しく書きたいと思います。

真如堂 12月2日紅葉は特に赤門前が素晴らしく、西に傾いた日差しを浴びて素晴らしい状態でした。多くの方が足を止めて写真を撮り、「綺麗」との声をあげています。この門前だけでも見る価値があるほどです。光の加減で、やはり東山は夕方がお勧めです。真如堂は比較的高台にあるため、日没近くまで光を得ることができます。

真如堂 本堂裏 12月2日本堂の裏も紅葉が遅く、散り紅葉が覆って晩秋の雰囲気です。三井家が建立した萬霊堂と紅葉もよく似合っています。本堂の周りの紅葉が終わる中、裏側は最も遅くまで楽しむことができますので、是非回りこんでみて下さい。

真如堂 鐘楼 12月2日そして、鐘楼の回りは境内の紅葉の穴場。場所は本堂に向かって右手側の奥にあり、その入口が分かりにくいため、穴場となっています。鐘楼に登れば紅葉を目線の高さで楽しむことができます。離れてみると、まるで紅葉に隠れているように見えますね。余談ですが、真如堂の鐘の下の方には、小さな穴が二つ開いています。実は第二次世界大戦中の金属供出でこの鐘も供出され、その際に品位を調べるために開けられた穴です。

真如堂 鐘楼 12月2日錫の含有率が少ない鐘は割りにくいために、結果的に真如堂の鐘は後回しにされ、戦後に戻って来ることができました。精錬所に集められた梵鐘は、大小あわせて1万個以上ありましたが、そのうち潰されずに済んだのは、370~380個に過ぎませんでした。幸運な鐘ですね。京都では、西園寺の鐘にも同様に穴が開けられたものが残っています。

真如堂 三重塔 12月2日境内の穴場では、三重塔を回り込んだ裏側も美しい光景が広がっていました。真如堂は探検のし甲斐があります。イチョウは散り果てていますが、その分下を見ると、黄色が映えて、楓の赤と合わせて三重塔がとても美しく見えました。三重塔は高さが約30mあり、三重塔としては大型で、日本最大級とされる清水寺の三重塔(約31m)とほとんど同じ大きさ。真如堂を象徴する建物です。

竹中稲荷神社 12月2日このように真如堂の境内では、まだまだ紅葉を楽しむことができます。真如堂から西の宗忠神社へと進み、宗忠神社の北側にある、吉田神社の末社「竹中稲荷神社」も紅葉と桜の隠れ名所。稲荷の赤い鳥居が境内へと導いてくれます。知る人ぞ知る場所ですので、こちらも合わせて足を延ばしてみてもよいでしょう。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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