八坂神社 初能奉納 2014年

八坂神社 初能奉納
1月3日に、八坂神社初能奉納が行われました。

八坂神社 初能奉納 千歳今年も八坂神社の初能奉納に足を延ばしてきました。八坂神社では、金剛流と観世流とによる初能の奉納が隔年交代で行われていて、2014年は観世流の順番です。演目は「翁」。五穀豊穣、国家安泰、天下泰平を祈願する儀式的な内容で、特にストーリー性もない演目のため、能の解説サイトでは「能にして能にあらず」と書かれていました。この演目の起源は能の初期であるために格式が高く、新年や祝賀祭などで好んで演じられています。

八坂神社 初能奉納 翁「翁」の演目では、まず露払いの意味合いで千歳(せんざい)がさっそうと舞った後に、翁面をつけた能役者が舞い、続いて狂言役者が演じる三番叟(さんばそう)が登場して、勢いよく掛け声を発しながら舞台を駆け回り、その後、鈴を振りながら躍動的な舞を舞って行きます。能役者が演じる翁は、千歳(せんざい)が舞っている最中に舞台上で面を付ける点で、他の演目とは大きく異なっているそうです。

八坂神社 初能奉納 三番叟能を見るのは、正直なところ1年ぶりです。昨年の金剛流による「翁」は、強く印象に残っていて、今年もまた見に来たいと思いました。1月3日の八坂神社では、午後から全国的にも話題となる「かるた始め」が行われるため、初能を最前列で見るためには少なくとも朝8時前には来ておく必要があります。ということで、今年も早起きをして寒さに耐えつつ、最前列で見させて頂きました(笑)

八坂神社 初能奉納 三番叟観世流と金剛流とでは何がどう違うのか?私のように年に1~2回しか見ない者では、正直見ていても全く分かりません。調べたところによると、主役を演じる(ここでは「翁」)シテ方と呼ばれる人物に観世流や金剛流という流派があり、謡の文句もその節付けも、舞の型も違っているそうです。その引き立て役のである囃子方は、シテの流儀が違えばその演奏も異なり、囃子方は一曲について複数の流派の演奏方法を身につけているのだそう。以上、私には細かい違いは分からなかったものの、それでも能の世界を十分に楽しませて頂きました。

金剛流「難波」「翁」が奉納された後は、金剛流による「難波」が奉納されました。こちらは鼓などの囃子は無く、仕舞(しまい:シテ舞)の形態で行われました。紋付き袴の姿なのも特徴でしょうか。演目は毎年変わっていて、昨年は観世流による「羽衣」でした。以上で初能奉納は終了。10時15分ころには終わります。2年連続で、よいものを見させて頂きました。毎年初能奉納を見なければお正月が来ないという地元の方もおられるのではないでしょうか。私もまた、来年以降も予定が合えば見に訪れたいと思います。

和楽器の奉納その後、しばらくして都山流の三好芫山(げんざん)先生の門下で、尺八やお箏の奉納もありました。この流れも昨年と同様です。「春の海」などお正月らしい曲を生演奏で聞かせて頂けるのが嬉しいですね。私もお箏を弾きたくなります。曲は、尺八による「平和の山河」、お箏と尺八による「千鳥の曲」でした。この後、13時から「かるた始め」も行われました。今回は、私は北野天満宮に移動したため、ピンチヒッターの方に写真撮影をお願いしました。次回以降に、少しご紹介します。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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