東寺の初弘法と北野天満宮の初天神

東寺 初弘法
1月21日に東寺で初弘法、25日には北野天満宮で初天神が行われ、多くの人で賑わいました。

東寺 初弘法京都も寒暖差が大きくなっています。数日の間で2カ月分ほども気温が変化するのは体にも堪えますので、体調を崩されないようご注意ください。また、週間予報を見ると、京都の最高気温は平年よりも高い日が並んでいます。雨と晴れが交互に来て、安定していた冬型にかげりが出てきているようです。毎年思いますが、春の暖かい空気が、冬将軍を激しい戦いの末に追いやって草木の芽ぶきをもたらしてくれる様は、まるで「大河ドラマ」を見ているかのよう。今年はちょうど戦国時代が舞台ですが、春や秋の天気は戦国さながらに空気の戦いが非常にダイナミックで、気象予報士としても天気図が面白くなってくる時期でもあります。一方で、災害が起こりやすくもなってきますので、出来るだけ無事に過ぎていってほしいと願っています。

東寺 初弘法京都では21日は「初弘法」で、東寺では今年初めての弘法市が開かれました。朝から大勢の人で賑わっていました。市は毎月行われていますが、年末の終い弘法と、年始の初天神は特に賑わいます。境内とその周りの道路には1000店を超える露店が並び、骨董品や園芸品、陶器など様々なものが売られていて、見て回るだけでも楽しいですね。

東寺 初弘法にて境内の賑わいは露店があるからだけではなく、やはり縁日として信仰的に人が訪れているという理由もあるでしょう。この日も、ご本尊の薬師如来に手を合わせる方は絶えず、弘法大師像の周りを回って「南無大師遍照金剛」と唱える方もいらっしゃいます。21日は弘法大師がお亡くなりになった日付(3月21日)。境内の信仰にも触れてから露店を巡って頂くとよいでしょう。

北野天満宮 初天神一方、25日は北野天満宮で「初天神」が開かれました。今年は、境内の梅の小枝にお守りを飾った「おもいのまま」という縁起物が62年ぶりに復活したことでも話題となりました。午前10時からの授与でしたが、私が昼ごろに訪れると、すでに用意されていた1000本が売り切れとなっていました。さすが天神さんです。この梅の枝は、室内に活けておくとちゃんと花が開くそう。天神さんの春を家に持ち帰れるとは、なんとも風流ですね。人気が出るのも納得でした。なお、この日は京都旅屋でも、初天神を訪れる散策を開催させて頂きました。ご参加頂きまして、ありがとうございました。

北野天満宮 初天神さて、弘法さんと天神さんは仲が悪く、片方が雨ならば片方が晴れだといわれています。この天神さんと弘法さんの関係を、1990年までの100年間にわたって気象的に調べた手元の資料を見ると、最も多いのは「両方とも晴れ(雨が降らない)」という結果です。年間で見ると、両方晴れは約48%、両方雨が約11%、片方雨は約40%という数字になります。つまり「両方とも同じ天気」なのは約59%で、天神さんと弘法さんは、実は仲は悪くなさそうだといえるでしょうか。なお、今の時期は特に北野天満宮では、一日の中でも晴れたり雪が降ったりと変わりやすい天気となることが多く、当たり外れの判定は個々人の感覚や訪れた時間帯によっても異なってくるでしょう。

北野天満宮 梅の花25日の北野天満宮の境内では、私の見た限りでは1本だけ数輪花が開いた梅の木がありました。思い出すのは「梅一輪 一輪ほどの暖かさ」の服部嵐雪の句です。梅が一輪咲くのを見て、一輪ほどの暖かさを感じるという意味ですが(梅が一輪一輪咲くにつれて暖かくなるとの解釈もあり)、この日は3月下旬並みの暖かさで一気に梅もほころびそうでした。しかしこの時期の暖かさはほんの一瞬で、翌日はすぐに「一輪ほどの暖かさ」に戻ってしまいました。春の歩みはまだまだゆっくりです。

北野天満宮 ロウバイ北野天満宮本殿の西側には、蝋梅(ろうばい)が優しい花を咲かせています。名前の由来は、黄色から白みを帯びた花弁がまるでロウのようであるからとも、旧暦12月の別名である蠟月(蝋月:ろうげつ)の頃に咲くからともいわれています。現代では年明け頃から見頃を迎える花で、新春を告げてくれる花ともいえるでしょう。ただ、実はその「梅」の名は偽りで、梅の仲間ではなくロウバイ科という独自の種族だったりするのも面白いですね。北野天満宮に訪れる際には、是非見てみて下さい。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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